杉の坊のつぶやき

実は知らない健康や医療に関する専門的な情報をお届けできるよう頑張ります!個人のつぶやきもあります

新型コロナ 治療薬候補

※内容はあくまでも個人の主観です。

 

 

前回と異なりかなり真面目な記事です(笑)

内容を修正します。

 

 

現在、新型コロナウイルス感染症に対して

様々な候補薬の名前が挙がっています。

 

従来より言われ続けている

抗インフルエンザ治療薬としてのファビピラビル(商品名 アビガン)と

欧米での注目薬であるエボラ治療薬であるレムデシビルの二つが

特に注目されている状況です。

 

ファビピラビル(以下アビガン)については、

抗インフルエンザウイルス薬として

細胞内におけるウイルスRNAの複製を妨げることで増殖を防ぐ仕組みで、

オセルタミビル(以下タミフル)などの既存薬とは作用が異なります。

そのためインフルエンザウイルスの種類を問わず

抗RNAウイルス作用が期待できると言われています。

 

タミフル新型インフルエンザ(H1N1)(H2N2)(H3N2)など

A型と呼ばれるインフルエンザに効果があり、

B型インフルエンザウイルスに対しては効果が劣り

C型インフルエンザウイルスには効果がありません。

 

 

レムデシビルに関しては、

ウイルスのRNAポリメラーゼを混乱させて、

ウイルスエキソヌクレアーゼ (ExoN) による校正

(正しい塩基配列に修正すること)を邪魔して

ウイルスRNA産生の減少を引き起こす仕組みです。

ただし、RNA鎖の合成を終わらせるのか、

突然変異を引き起こすのかは現在は不明です。

 

2020年5月1日アメリカで緊急使用を認めた新薬で、

日本では「特例承認制度」を用いて、

5月上旬に承認の可否が決まる予定です。

 

 

日本では5月4日現在、

駆虫薬であるイベルメクチンに注目が集まっています。

イベルメクチンは寄生虫による感染症の撲滅に貢献していて

北里大学の教授によって開発された駆虫薬です。

イベルメクチンの効果範囲は現在の所

コロナ感染患者の死亡率が減少するといったもので

直接的に感染や治癒に効果があるかはまだ不明ですが、

米研究チームがまとめた結果では

少なくとも北米、欧州、アジア圏での患者に対して

重症患者の死亡率が大幅に減少したとの報告で、

今後の治療との併用によって死亡率の減少の面で

活躍が期待できるものと考えられます。

 

 

実は、

アビガンは妊婦への使用は禁忌とされています。

様々な動物種において催奇形性が確認されており

妊婦へ投与した場合の胎児への悪影響が懸念されています。

妊婦への投与例などはないものの、

妊娠初期の投与は避けるべきだと指摘されています。

また、アビガンは男性の精液中に移行することも報告されていて

男性へ投与した場合は内服終了から7日間の

避妊徹底が添付文書に記載されています。

ただし、どちらも薬剤を原因とする流産や

先天性異常は報告されていません。

 

 

2020年主な治療薬候補としては

・ファビピラビル(アビガン)

・カレトラ(ロピナビル/リトナビル)

・オルベスコ(シクレソニド)

・フォイパン(カモスタット)

・フサン(ナファモスタット)

・プラケニル(ヒドロキシクロロキン)

・ストロメクトール(イベルメクチン)

などがあります。

 

フォイパン(カモスタット)、フサン(ナファモスタット)

の2つについては、催奇形性は認めないものの

人での疫学研究は行われていません。

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表1 国立成育医療研究センターによるCOVID-19治療候補薬の評価 〇:疫学研究(人での使用経験報告)があって、リスクが示されていない △:疫学研究(人での使用経験報告)はないが、動物実験などからリスクはなさそうと考えられる ×:リスクが危惧される。

 

 

政府の発表では年内にワクチンを使用できる見通しのようです。

 

 

次の記事ではウイルスについて

あらためて少し説明してみたいと思います。

 

 

杉本