杉の坊のつぶやき

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基本再生産数(R0)

※内容はあくまでも個人の主観です。

 

前回の記事に続きまして、

感染症を考える上では欠かせないともいえる

基本再生産数(R0、アールノート)について

今回のケースへの提言をふまえて

少し説明したいと思います。

 

まず、基本再生産数(以下R0)についてですが

ごちゃごちゃと説明してもしかたがないので

少しわかりやすいものを選んでいるので、

大まかには以下のリンクを参考にして下さい。

 

『基本再生産数』出典: フリー百科事典 ウィキペディアWikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E5%86%8D%E7%94%9F%E7%94%A3%E6%95%B0

 

【図解】R0(基本再生産数)とは? 感染症疫学用語の基礎知識
2020年3月31日 13:33 発信地:パリ/フランス [ その他 例外 ]

https://www.afpbb.com/articles/-/3276018

 

日本で新型コロナが「感染爆発」しない理由

https://forbesjapan.com/articles/detail/34137?n=1&e=33158

 

 

医学誌「ランセット感染症ジャーナル(Lancet Infectious Diseases)」

に掲載されたシンガポール国立大学(NUS)の研究論文によると、

感染者の隔離、職場での間隔確保、

学校封鎖の措置を三つすべて同時に実施することで、

推定される感染者数が劇的に減少するとしている。

 

しかし、R0が高くなると、

これらの措置を実施したとしても、

効果が出にくくなると指摘されている。

R0<1  R0が1より小さい場合、感染症は終息していく

R0=1  R0が1の場合、突発的な流行は起きないが終息もしない

R0>1  R0が1より大きい場合、突発的な流行や感染拡大の恐れがある

 

COVID-19の場合:新型コロナウイルスの推定R0は

条件によって大きく変わります。

2020年3月26日時点の全体的な推定値:R0=2からR0=3

中国・武漢で流行し始めた当初の推定最大値:R0=3.86

都市封鎖後の武漢の推定値:R0=0.32からR0=1.58

となっていて、

4月現在の新型コロナウイルス推定平均R0は2.5と言われています。

間違っていたらすみません。

 

ちなみに、わかりやすく簡単にですが

クラスタと呼ばれる「集団感染」については

基本再生産数ではなく実効再生産数が用いられます。

 

 

上記の説明やリンクでは

やはりかなりわかりにくいかと思いますが、

実質的に感染症への考えとしてR0が参考値となることと

この数値を基本としての応用的な考え方で

感染拡大についての現実的な対策を考えることが出来ます。

 

一方で集団免疫獲得についても意見が出ていますが

これはやはりたくさんの犠牲の上に成り立つものなので

私は言及を避けたいと思います。

 

 

一般的には感染症に対する認識によって

人の想像力が非常に重要な要素となります。

 

従来の経験や想像に基づく危機的な脅威といった観点では

とてもではありませんが対応できるものではありません。

 

また、ウイルスの特性を何度も指摘していますが

いつ、どのように、何をきっかけに、

とんでもない致死率ととんでもない感染力に

変異を起こすかもしれないという問題があり、

現在の死亡率や感染状況を楽観的に捉えて

いたずらに感染状態を繰り返す事を維持する事は

そのウイルス変異の機会を無限に与え続ける事と同義です。

 

時間をかけているうちに

どこでウイルスが突然変異するかもしれないという

反則じみたとんでもないリスクをはらんでいるのがウイルスで、

実際に鳥インフルエンザでは

人に感染しないという状況から一転して

人に感染し、さらに変異して人の命を奪うものに変化したのは

記憶に新しい所です。

 

一応、誤解の無いように書いておきますが

私自身、今回の自粛行動が絶対に正しいかどうかは

現時点では全くわかりません。

 

ただ、

ウイルスという敵をきちんと色眼鏡なしで評価し

その特性や性質など、自分の知りうるものを

自分の考えを完全に取り払って考え、その影響など

それをひとまとめにしてしまえば

いま自分以外の人のことを本当に心から思いやるなら

選択できることは

動かない事、会わないこと、我慢する事、

むやみに外出機会を作らない事

だと思えるからその選択を優先しているのです。

 

危機管理の基本は、初動において厳しい対応をして、

様子を観ながら徐々に緩めるのが鉄則だということです。

 

 

 

 

ここから本題とははなれて愚痴が多くなり長くなります(笑)

 

わかりやすくいうと、

多くの映画などでよくあるシチュエーションで

何人かで殺人鬼から逃げている状況、

なんとか殺人鬼から逃げ切って隠れる場所を発見、

隠れているところに殺人鬼が現れ探し回る状況になり、

みんなが息を殺して身を竦めて我慢します。

 

そのうち我慢できなくなった誰かが

「まかしておけ!俺が倒してやる!」

「こんな我慢やってられるかー!」

と、まわりの制止を振り切って飛び出し

案の定、殺人鬼に殺されるのですが、

その飛び出し行動のせいで全員が見つかるという

本当に迷惑な行動になるシーンを

いろんな映画で見たことがあると思います。

 

飛び出した本人はよくわからない正義感や、

我慢ができないという未熟な考えで行動し

結果的に全員を危険にさらすどころか

全滅を促す行動なのですが、

死んでしまっては誰も責める事もできません。

 

殺人鬼から見つかる可能性もわからない

殺人鬼が去っていくかどうかもわからない

そんな状況での我慢は確かにとんでもないストレスです。

 

確かに選択肢として

我慢が出来ないから立ち向かう事も一つでしょう。

殺人鬼から見つからなかったとしても

動けば見つかると言う状況が続けば

我慢し続ける事で飢えて息絶える事もありえます。

 

いまの社会の状況は良く似たような状況だと思います。

 

本当に冷静に考えるなら、

映画のような状況では、飛び出す人は

リスクを撃破する事に無駄な自信を持つよりも

万が一の自分の行動のその後も考えて、

最低でも他の人が見つからない為の配慮は必要です。

とても難しいことですが、

人として考えるべく

思いやりとはそういう部分だと思います。

 

 

過去の記事でも書きましたが、

こういった状況の内容が、戦争だったり、

熊などの野生動物が相手の状況も想定できます。

 

では、どういった行動が正解なのでしょう?

 

冷静に考えればそこに正解はありません。

 

現状を様々な事に当てはめる上で

映画のようなこういった状況を当てはめて考えてみれば

けっこう簡単にイメージしやすいとは思います。

 

ただ、そこでその対峙した相手を

殺人鬼や、スナイパーや、野生の猛獣に

狙われていると考えればわかりやすい事なのに、

同じかそれ以上の脅威を持ったウイルスになると

急にイメージが稚拙になる人が増えます。

 

ウイルスが目に見えないことが原因だとは思いますし

リアルな危険性を感じにくい存在だからだと思います。

 

でもそれってすごく幼稚な事だとは感じませんか?

 

ウイルスは物理的な脅威だけではない要素を持っていて

殺人鬼や動物のように動きを予測する事も見る事もできず

さらには全く想像できない部分や

判断した後に180度覆す変化をする可能性があり、

そういった点では

殺人鬼や野生動物よりもはるかに脅威で

はるかにやっかいな相手です。

 

 

 

殺人鬼やスナイパーや野生動物が

狙われている人の所在がわからない状況で、

狙われている人が息を潜めて隠れているとして

その状況を知った人が

助けようと、その脅威と状況について理解せず

ただただ善意と正義感を振りかざして

無為無策で出かけてしまえば、

狙われた人もろとも命を落とす可能性が高く

それはけして相手のための行動とはいえず

自己満足の無謀な行動だとしかいえません。

 

 

自分が絶対に感染しない、絶対にうつさない

すでに免疫を獲得した状態であるなら

大手を振って出歩いて人助けをすべきです。

でもそんな事もなにもほとんど何もわからない状況、

実際に感染して死んでいる人がいて、

世の中が混乱するレベルで対峙する敵がいて

何が起こってもおかしくない状況に

感情や感覚だけで行動することが

どれだけ軽率で馬鹿なのかわかりそうなものです。

 

 

ニュースでインタビューに答えていた人が

「うちは家に入るときに玄関でビシッとやってるから大丈夫」

とかのたまっている人もいましたが、

専門的な感染対策を講じて警戒している

医療従事者であっても感染したりしているのに、

なぜド素人が家でできる対策で十分だと思えるのか

ワクチンすらも作れないような状況のウイルス相手に

何をもってそんな自信が生まれるのか本当に謎です。

 

さらには、パチンコ店でのインタビューに

「パチンコ屋の従業員だって生活があるんだから」

と答えている人もいましたが、

それこそが本人とそのパチンコ屋が考えるべき問題であって、

お客としていく事で双方が満足しているとでも

思っているのでしょうが、

その行動の結果もしも感染が起こってしまえば、

パチンコ店自体の経営そのものが危ぶまれる事態になり、

その従業員のための行動が従業員自体を被害にあわせ

さらには関係ないほかのお客や、

処理に訪れる多くの職員などにも危険が及ぶ可能性。

 

そういった事を想像するから、

まずは気持ちや想いではなく

我慢して動かないことを選択する人が

たくさんいます。

 

自粛を嫌がる人の多くが勘違いしていると思いますが

自粛する事はけして他の人をないがしろにしているのではありません。

 

たくさんの状況のなか、たくさんの人が

何とかしてあげる事はないのか

どうにか自分ができる事はないのか

そう思いながらも、たくさんたくさん考えて

一日もはやくこの敵がいなくなる方法が最上だと考え、

自分に出来る事が我慢だと考えています。

 

いろいろな現場が様々な状況に陥っています。

 

営業継続が出来ず閉店するお店などもあれば

医療現場では人手や物資が足りない

スーパーや配送でも人手が足りないなど

この状況下では真逆とも言える状況があります。

 

しかし、

医療従事者の方々が大変だからといって

我々は簡単に手伝う事はできません。

 

専門的な知識と経験と資格が無ければ

手伝いに行けたとしても足手まといになります。

 

スーパーや販売店でも、

同じようにそのお店での流れや方法など

はじめて行って即戦力になれるような

そんな状況はあまりありません。

 

私の会社でも、

たとえ繁忙になったとしても

今日明日に人員を補充してどうにかなるような

そんな内容の仕事はしていませんし、

新しい人手に対して指導や指示を行うべく

そこに人員を割かれてしまっては本末転倒です。

 

私もブログの中で様々な綺麗事ともいえることを

書いていますが、

今の極端な状況に対しては特に

自分の思いや考え以上に、

現実的かつ建設的に現状を考える事はやっているつもりです。

 

お金のことに関しても、実生活に関しても、

仕事や社会に関しても、

自分がどんな理想を持ってもどんな方法を考えても、

まずは実際の社会と向き合わなければいけません。

 

どんなに綺麗な素晴らしい事を考えていても、

それが実際に実現できる事なのかは全くの別で

実現する為に様々なハードルを越えていかなければいけませんし

理不尽ともいえる社会の枠組みと戦わなければいけません。

 

現実的な部分を考えなければ

実際に行動する上での障害にしかなりえません。

 

今の社会は本当に板ばさみの状況で、

相反する厳しい現実と厳しい現実の狭間にあって

何が正しいのか、何をするのが正解なのか

本当にわかりません。

 

でも、

はっきりとしたリスクがある以上、

それを大前提に考えるべきだと思います。

 

ウイルス?経済?生活?明日の食料?今月の支払い?

 

ウイルスのことがわからない人にとっては

私がウイルスのリスクを優先しているようにしか見えず

世の中に迎合しているように見えるやも知れませんが、

私は単純にウイルスの危険性を優先しているのではなく

ウイルスによってもたらされ波及するリスクである

「人命」と「人」そのものを最優先に選んでいるつもりです。

 

 

個人的に少し思うところがあって

かなりの長文になりました。

 

杉本