杉の坊のつぶやき

実は知らない健康や医療に関する専門的な情報をお届けできるよう頑張ります!個人のつぶやきもあります

そもそもウイルスってなに?

※内容はあくまでも個人の主観です。

 

新型コロナウイルスの蔓延によって

ウイルスウイルスと連日耳にしますが、

そもそもウイルスとはどんなものでしょう。

 

菌とウイルスの違いを知らない人も多いようで

殺菌、除菌という言葉が先行していますが

そもそものウイルスと菌の違いを

できるだけ簡単に説明してみます。

 

まず、

殺菌、除菌、抗菌という言葉に使われている

「菌」ですが、ウイルスとは異なります。

 

英語ではウイルスはvirusで菌はbacteriaになります。

 

少し難しい解釈が必要ですが、

菌は細菌、真菌と呼ばれる生物学上は生物ですが

ウイルスは生物ではありません。 

なお、抗生物質は細胞を有する菌に対して効果があり

ウイルスには効果はありません。

 

ウイルスにはボルティモア分類という分類を基礎に

7つの分類があります。

 

7つの分類は、国際ウイルス分類委員会のデータによると

 

1:2本鎖DNA

○感染すると多くの場合細胞の核に移行し宿主の複製機構を使って増える。

宿主のRNAポリメラーゼを使ってmRNAを作りウイルス蛋白質を産生する。

代表的なウイルス ■ アデノウイルス、パピローマウイルス、

          ヘルペスウイルス、天然痘ウイルス、EBウイルス

2:1本鎖DNA

○自らのゲノムを鋳型に2本鎖DNAを作り、複製する。

代表的なウイルス ■ アデノ随伴ウイルス

 

3:2本鎖RNA

○プラス鎖のRNAがmRNAとなりウイルス蛋白質を作る。

自らが持つRNA依存性RNAポリメラーゼを用いて粒子内で複製を行う。

代表的なウイルス ■ ロタウイルス

 

4:1本鎖RNAプラス鎖

○ゲノム本体そのものがmRNAとして働き、

ウイルス蛋白質を作り出す。細胞質内で自らが持つ

RNA依存性RNAポリメラーゼで複製する。

代表的なウイルス ■ コロナウイルスエンテロウイルス、風疹ウイルス、

           日本脳炎ウイルス、デング熱ウイルス、C型肝炎ウイルス

           ノロウイルス

 

5:1本鎖RNAマイナス鎖

○まず本体であるゲノムRNAを鋳型にmRNAを作り、

このmRNAからウイルス蛋白質を作る。多くの場合、細胞質で複製を行う。

代表的なウイルス ■ 麻疹ウイルス、センダイウイルス、ムンプスウイルス、

           RSウイルス、狂犬病ウイルス、エボラウイルス

           インフルエンザウイルス

 

6:1本鎖RNA逆転写

○本体であるプラス鎖RNAを逆転写し、2本鎖DNAを作り、

宿主のゲノムに組み込まれる。ゲノムに組み込まれたDNAからmRNAを作り、

ウイルス蛋白質を産生する。

代表的なウイルス ■ ヒトT細胞白血病ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV

 

7:2本鎖DNA逆転写

○2本鎖DNAではあるが、いったんRNAを作り、

そのRNAを逆転写することでDNAを作って自らを複製していく。

代表的なウイルス ■ B型肝炎ウイルス

 

以上の7種類です。

 

DNAウイルスのゲノムはその名の通りDNAであり、

多くの場合、細胞の中の核に移行して宿主の

DNA複製酵素(DNAポリメラーゼ)を使って

自らのDNAを増やし(複製)ます。

複製の酵素を宿主の仕組みに依存していると言えます。

一方、RNAウイルスのゲノム本体はRNAですが、

RNAを鋳型としてRNAを作る酵素(RNA依存性RNAポリメラーゼ)は

宿主が持っていないため、

ウイルスはそれを作り出す配列情報を自ら持っています。

この配列情報に基づいてRNAポリメラーゼが宿主細胞内で作られ、

これを使って複製します。

RNAウイルスの多くは細胞質で複製しています。

例外は、インフルエンザウイルスなど一部です。

 

 

ちなみにウイルスの認識について

参考になる話がありましたので引用します。

京都大学ウイルス研究所(現ウイルス・再生医科学研究所)

附属感染症モデル研究センター・センター長 朝長啓造氏の話です。

 

ウイルスの毒性、つまり我々の体に及ぼす害の多くは、宿主の免疫応答だと言えるでしょう。つまり風邪で見られる感冒症状のように、炎症反応です。ウイルスそのもの、もしくはウイルスが感染した細胞を排除するために免疫系が働くため、発熱、鼻汁、咳などの症状が現れるわけです。

 中には宿主細胞の恒常性機構に異常を起こし、細胞死を引き起こしたり、細胞の癌化を引き起こすことで宿主に害を及ぼすものもありますが、多くの場合は宿主免疫が活性化して起こる免疫応答が人類にとっての害だと言えます。重篤な肺炎や神経障害を引き起こすウイルス感染症がありますが、これは宿主免疫が過剰に活性化してしまって、ウイルス感染細胞だけでなく、自らの臓器まで傷害してしまうからと考えられます。

 ただし我々人類が認知しているウイルスは、多くの場合、ヒトあるいは動物に感染して病原性を発揮するウイルスだけです。自然界にはもっとたくさんの、人類が知らないウイルスが存在すると考えられています。しかも我々が知っているウイルスは、宿主が違えば病原性がないものだってあります。SARSやMERSはコウモリやラクダに感染しているウイルスがヒトに感染して高い病原性を示したとされていますが、コウモリやラクダにとって脅威となるウイルスではないかもしれませんし、SARSやMERSのもともとの宿主(自然宿主という)は、元をたどれば別の生物だったかもしれません。そしてその自然宿主ではあまり増殖せず、おとなしく潜伏していたのかもしれません。

 

過去の記事で紹介した幹細胞治療では

患者の免疫反応の過剰化を抑制する働きが挙げられていました。

このお話しはウイルスを理解するうえで

非常にわかりやすいと思います。

 

 

RNAについてはここでは割愛しますが、

抗ウイルス薬の説明などで多く出てきます。

 

抗RNA薬というところについては

わかりやすいので説明をいれてみますが

要は、RNAウイルスの増殖に必要な部分を抑制して

ウイルスの増殖を抑える事ができる薬

っていうのが1番一般的な理解になるかと思いますが

ちょっとちがうかなぁ・・・

 

とにかく、薬の作用としては

ウイルスが増えたり存在を続けるのに必要な要素を

抑えたり壊したり邪魔したりできますよ

っていうものが今のほとんどの薬の基本かと

めちゃくちゃ簡単に説明するとすればこんな感じです。

 

幹細胞治療の場合は、

免疫抑制が結構大きなポイントになりますので

治療法としての働きは少し異なります。

ちなみにストロメクトール(イベルメクチン)の作用にも

免疫反応の抑制効果があったとおもいます。

 

 

全体的にわかりにくくてすみません。

記事内の文言をもとに検索などしてみてください。

 

なお、個人的な検索でひっかかった物の中に

少し内容に間違いがあるものもありました。ご注意下さい。

 

あくまでもざっくりとした基本を知る上では

十分ではあると思います。

 

一番のポイントは

菌とウイルスは全く違うものという事です。

 

 

杉本