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杉の坊のつぶやき

実は知らない健康や医療に関する情報を発信

医薬分業

※内容はあくまでも個人の主観です。

 

病院で診て貰ったあとに薬を受け取る場合、

隣接した調剤薬局に行きます。

 

これは「医薬分業」という取り決めによるものです。

一昔前には病院内の薬局での院内処方が主流でしたが、

完全分業化を目指している事を背景に院外処方になりました。

 

医薬分業とは、薬の処方と調剤を分離し、それぞれを医師、薬剤師という専門家が分担して行うことを意味し、ヨーロッパでは800年近い歴史があり神聖ローマ帝国のフリードリッヒⅡ世(1194~1250年)が毒殺を怖れ主治医の処方した薬を別の者にチェックさせたのが始まりといわれています。
1240年には5ヵ条の法律(薬剤師大憲章)を定め、医師が薬局をもつことを禁じました。これが医薬分業と薬剤師制度のルーツとされています。

 

外来で処方箋を受け取った患者さんのうち院外の薬局で調剤を受けた割合を「処方箋受取率」「医薬分業率」と呼び、医薬分業はその後の長い道のりをへて、厚生省が37のモデル国立病院に対して完全分業(院外処方箋受取率70%以上)を指示した1997年以降急速に進み、2003年に初めて全国の医薬分業率が50%を超えました。
2012年度の1年間に全国で発行された処方箋の枚数は7億5888万枚にのぼっていますが、医薬分業率は66.1%に達し、完全分業に近づきつつあります。

 

ここにきて昨年末、厚生労働省は多くの患者からの意見を背景にこの医薬分業についての規則を緩和する方針を打ち立てました。特に高齢者や車いすなどの患者にとって不便だといった指摘が上がっていました。従来の決まりの中にある医療機関と薬局の間にフェンスまたは公道がなくてはならないなど、制定すべき規制ともいえないような規制が盛り込まれていましたが、今回の厚労省の方針により中医協(中央社会保健医療協議会)の了承が得られれば16年度中に緩和する予定です。

 

本来の医薬分業の規制強化は、医師の処方に対する薬剤師のチェック機能がより働くようにすることで、医師にとっても慎重な処方につながり、薬剤師の役割についても重要性が増すと考えての規制案でしたが、逆に医療機関と薬局の連携に距離が出来ることで様々な不具合が出たことも見直しの背景にはあるようです。

 

ただ、この医薬分業にまつわっては他にも様々な指摘があります。

 

まず、薬剤師による疑義紹介について、発表されている統計では全体の2%~3%に留まっていますが、完全に機能しての数字なのかという点では少し疑問が残ります。

特に、院外処方上での疑義紹介の連携システムが、分業規則において距離を生んでしまっているようにも感じるからです。手間が増えた分、細かな確認作業が省略されてしまったり、微妙な判断に対してそこまでの手間をかけて疑義紹介すべきなのかといった点でも逆にインターバルが発生しているようにも感じます。

 

次に言えるのは、個人医院などにおける院内処方の現状が、医薬分業の指示を受けている病院に比べ、真反対といえる状況が多々見受けられる点です。

完全分業の指示があった国立病院をはじめ、一般的に「大きな」病院については分業化の傾向も強く、院外処方が主流となっていますが、開業医などの個人医院に関してはいまだ院内処方や医師処方が多く、医師の処方に対して無資格のパートタイマーがそのまま疑いを持たずに用意するような状況まであります。

 

特に疑義紹介に関して考えてみると、薬剤師の判断と医師の判断が対立した際の振り分け方や解決方法については取り決めが無く、結果的に一般の会社のように連携内容に不和が生じてしまうだけのケースも報告されていて、結果的に患者とは関係のないところでの問題が多いのも現状です。

 

私が指摘する点としては、疑義紹介といったシステムはあるものの、薬剤師の処方を優先するのか医師の処方を優先するのかが非常に曖昧なままで、結局の所、当事者同士の関係性の問題になってしまう所が非常に問題なのではないかという点です。

処方が相違した場合に一方の処方を選んだ結果、何らかの問題に発展した場合の責任の所在が明確ではない為にこういったことで悩まなければいけないのであって、きちんとした責任の所在の振り分けがあればこそ、責任を持った真剣な薬選びが出来るのではないかということ。そしてそれらを背景に医師、薬剤師の両面から真剣な議論が出来うるのではないかといったことも考えることが出来ると思います。

現状でいえば、医師も薬剤師も国の定めたガイドライン上でしか判断しておらず、厚生労働省の取り決めに従った情報だけを遵守しているに過ぎません。

個人の経験上の判断などを持ち込むことにはリスクしかなく、結果的にも特定の資格を有した技術者としての能力は必要ないといえます。

極論では医師、薬剤師は、診察や処方のレベルでは公式なデータベースとガイドラインさえ常にパソコンなどで確認できる状況であれば、無資格の学生アルバイトでも十分可能な範囲でしか仕事をしていない状態だと指摘できると思います。

 

ちなみに、医師と薬剤師の違いですが、医師は病気の診断や病名に対しての治療法や、病気に関してひとつの病気にひとつの処方といった具合での知識(ガイドライン含む)に長けているというか、その部分で判断することを資格により許可されている立場であると考えてください。そこに対して薬剤師は、医師の処方した薬に対しての効果効能も当然ながら複数の薬の使用上での飲み合わせなどの薬理学に秀でています。

極端に言うと医師は薬に関する踏み込んだ知識は希薄です。薬剤師は病名や薬の名前には詳しくても病気自体の症状やメカニズムに関する知識は一般の詳しい人程度しか持ち合わせていません。

ただ、それぞれが特権的ともいえる資格と立場を有しています。

しかしながらそれぞれの判断に差異が生じた際にどちらの意見を優先するかの点は今の業界では議論されていません。

 

結果的に、症状に対して医師に指定された複数の薬どうしが相性が悪かったり飲み合わせてはいけないものであった場合に薬剤師が指摘できるのですが、もともとの医師の処方は症状に対してのもの。薬剤師が飲みあわせを危惧して飲まない指示を行った場合には、診察時の症状に対する対処として処方したはずの薬が飲めなくなるので、その症状に対しての対処を行わない状況になると考えることが出来るので、診察自体を見直してトータルでの診療が必要となるはずです。

 医薬分業においてはこういった部分での連携システムが非常に未成熟でもあり、この違和感を払拭できるような決まりや対策は講じられておらず、患者のための薬の処方なのか、決まりの中で症状ありきで薬をあてがえるだけの仕事に成り下がっているかの点ではかなり不安感が募る内容になっています。

 

結局の所、ガイドラインや決まりに沿った形で問題が出ないように処方制度を遂行しているだけで、医療機関を利用する患者の本来の目的と訴えとはかけ離れているように感じます。

これは様々な資格制度においての重要な問題点でもあるのですが、このお話に関しては少し畑違いでもありますので機会があればどこかで盛り込んでお話したいと思います。

 

まぁ、そういうお仕事だといえばそれまでですが、やはり患者は病気に際して医師などに助けを求めてきているのですから、本当はもっとそこに親身になるべきだと思うのですが、現場の思いだけではそうはいかないのでしょうね。。。

 

 

杉本