杉の坊のつぶやき

実は知らない健康や医療に関する専門的な情報をお届けできるよう頑張ります!個人のつぶやきもあります

薬は命がけ⁉︎

※内容はあくまでも個人の主観です。

前回に引き続き薬についてお話しします。

まずは「薬剤師は絶対に飲まない<ヤバイ>薬」という本からの引用ですが
薬剤師が指摘する危険なケースで身近なものを少しピックアップしてみます。
ただし内容は文献を参考に私個人が追記と編集を加えたものです。

<風邪・インフルエンザ>
●抗生剤
ウイルス性の病気には効かないのに加え、体内の必要な微生物までを殺す。
そのため腸内の善玉菌を殺し胃腸に異常な症状を起こす。

<発熱や風邪の症状、喉の痛みなど>
アセトアミノフェン自体は解熱鎮痛効果のある安全な成分だが
複数の薬を併用することで重篤な肝機能障害を起こす可能性がある。

<胸やけ・胃酸過多>
市販の胃腸薬の多くは胃酸の中和や胃粘膜の修復といった働きだが、
これらは強力に胃酸の分泌そのものを抑えるため、使用にあたっては
飲食物や併用する薬に注意しなければ胃に重篤なダメージが出る。 

<アレルギー疾患・喘息・花粉症・鼻炎>
ステロイド治療薬
炎症を強力に抑える力に加えて免疫機能を強く抑制する働きに即効性もある。
すべての免疫機能の低下につながる上、子供の使用の場合には成長抑制といった
深刻な副作用もある。

<便秘>
●センナ:薬理成分センノシド
大腸を強く刺激するため強い腹痛や下痢症状、悪心を起こすことがあり、
習慣性が高いので常用すると自発的な腸の蠕動運動ができなくなってしまう。

●商品名:ゼブリオン、成分名:パリペリドンパルミチン酸エステル
中枢神経に作用する非定型抗精神病薬。注射剤。
厚労省では薬の使用中に5ヶ月間での心筋梗塞などの死亡例が21例に上り
2014年4月に安全性速報を配布している。

<急性気管支炎・リンパ節炎などの感染症
●商品名:ジスロマック、成分名:アジスロマイシン水和物
マクロライド系抗生剤。1日1回を3日間使用すると効果が1週間持続するので
使い勝手が良く広く使用されているが、心疾患リスクが高く、
不整脈を誘発する原因になるとの指摘がある。

<不眠>
●商品名:ドリエル、成分名:ジフェンヒドラミン塩酸塩
ヒスタミンの副作用を利用した睡眠改善薬。
一時的な効果はあるものの数日で効かなくなるので連用しがちだが
特に高齢者の場合など錯乱状態を引き起こす可能性もある。


うつ病など>
●商品名:ジプレキサ、成分名:オランザピン
抗精神薬として多用されるが、食欲を増進し体重を増加させる副作用がある。
特に糖尿病の患者は血糖値の急な上昇を起こし糖尿病性昏睡の危険があり
現在では糖尿病患者には禁忌となっている。

<神経痛>
●商品名:リリカ、成分名:プレガバリン
椎間板ヘルニア三叉神経痛帯状疱疹後の神経痛など神経障害系の痛みの治療薬。
劇症肝炎や肝機能障害などの重篤な副作用が報告されている。


上記の内容はあくまでも一例ですが、近年報告の多い症状や
一般的に処方される機会の多いものを選んでみました。

薬の使い方を誤ると毒にも薬にもなるのですが、
現在の状況としては前回の記事でも指摘したように、
産業化してしまった部分の問題が大きすぎるのです。

世界で最も医療が進んでいると言われた西洋医学の先進国であるアメリカでは、
1994年10月に世界の医学界に衝撃を与えたニュースが流れました。
1994年の10月までのわずか10ヶ月間にアメリカ国内で30億件の薬が処方され、
200万人が副作用で入院、さらには10万人が死亡しているという事実が明らかにされたのです。
2008年にも研究者の報告では、アメリカ全体での副作用による死亡者は
年間16万6千人にのぼると報告されていました。
アメリカでの国民の死亡原因は心臓疾患、がん、脳卒中に次ぐ第4位で、
病気や事故ではなく薬の副作用によるものであるわけです。
医療や医学、科学や薬を無条件に信仰している日本にとってこれは他人事ではありません。


薬の役割を本当に理解できている患者はとても少なく、
同時に病気と薬の関係性を理解できている患者もほとんどいません。

専門家でもない患者さんが知らない、わからないのは仕方がないことですが、
専門家である医師や薬剤師が利益産業に飲み込まれて目的を見失っていては
結果的にこういった問題が多発することも当然のことなのです。

とは言っても、医師の中にもしっかりとその役割と責任を担っている方もいます。

高血圧の数値だけを見てガイドラインのままに薬を出す医師が多い中、
それぞれの患者個人個人の生活週間や体質、健康状態を診て治療を決める医師もいます。
患者の求めに応じてどんどん薬を出す医師もいれば、
患者それぞれの原因を探って病気を根本から治そうとし、それに準じて
必要最低限の薬だけを使う医師もいます。

ただ、きちんと治療しようとすればするほど儲からず、
ガイドラインに沿えばそうほどしっかりと報酬がもらえるのです。
医師の生活だけを考えれば賢いのは確かにガイドラインに沿うことです。
しかし医師の役割を考えるならきちんと治療することが本物なはずなのです。


高齢者の多くは薬に対する信頼感が強いため指示されたまま几帳面に飲む上
症状にはそれぞれに全て薬がついてくるものだと思いこんでいる方がとても多いのです。
この発想自体が、病気が薬でどうにかなると信じ込んでいることの表れでとても危険なのです。

高齢者の平均的な処方箋の例を挙げてみましょう。

例1: Aさん  84歳  女性のケース
●脳代謝改善剤:セクラロール錠(20mg)1日3回毎食後1錠。=1日3錠。
抗不安薬       :コレミナール錠(4mg)1日3回毎食後1錠。=1日3錠。
                        :リーゼ錠(5mg)1日1回就寝前1錠。=1日1錠。
●めまい軽減薬:メリスロン錠(6mg)1日3回毎食後。=1日3錠。
●消化剤           :エクセラーゼ配合カプセル  1日3回毎食後。=1日3カプセル。
●強心剤           :ハーフジゴギシンKY錠(0.125mg)1日1回朝食後。=1日1錠。
●降圧剤           :プレミネント配合錠 1日1回朝食後。=1日1錠。
                        :ノルバスク錠(2.5mg)1日1回朝食後。=1日1錠。
                        :ラシックス錠(20mg)1日1回朝食後。=1日1錠。
●かいよう修復薬:オメプラゾン(10mg)1日1回朝食後。=1日1錠。
●解熱鎮痛剤    :SG配合顆粒  1g  1日1回朝食後
睡眠薬           :ハルシオン錠(0.25mg)1日1回就寝前。=1日1錠。
                        :マイスリー錠(5mg)1日1回就寝前。=1日1錠。
抗うつ剤       :ルジオミール錠(10mg)1日1回就寝前。=1日1錠。
●整腸剤           :レベニン散   4.5g 1日3回毎食後。
●便秘薬           :プルゼニド錠(12mg)1日1回就寝前。=1日1錠。
●血管拡張剤    :フランドルテープ(40mg)1日1回貼付。
●消炎鎮痛剤    :モーラステープ(40mg)1日1回貼付。

計18種類、1日に錠剤19錠、3カプセル、顆粒14.5g、発布薬×2 を使用しています。


例2:Bさん  86歳  男性のケース
●降圧剤          :アムロジン錠剤(5mg)1日1回朝食後。=1日1錠。
                       :ラシックス錠(20mg)1日1回朝食後。=1日1錠。
●胃薬             :ガスター錠(10mg)1日2回朝夕食後。=1日4錠。
                      :セルベックスカプセル(50mg)1日3回毎食後。=1日9錠
抗生物質      :オゼックス錠(150mg)1日3回毎食後。=1日9錠。
●去痰剤         :ムコダイン錠(250mg)1日3回毎食後。=1日9錠。
●脳代謝改善剤:セロクラール錠(20mg)1日3回毎食後。=1日9錠。
●中枢神経用剤:グラマリール錠(50mg)1日3回毎食後。=1日9錠。
抗精神病薬   :ルーラン錠(4mg)1日1回夕食後。=1日1錠。
                       :リスパダールOD錠(1mg)1日1回就寝前。=1日1錠。
睡眠薬          :レンドルミンD錠(0.25mg)1日1回就寝前。=1日1錠。
                       :マイスリー錠(5mg)1日1回就寝前。=1日1錠。
●消炎鎮痛剤  :ロキソニン錠(60mg)1日3回毎食後。=1日9錠。
甲状腺ホルモン製剤:チラーヂンS錠(50μg)1日1回夕食後。=1日1錠。
●便秘薬         :ヨーデルS錠(80mg)1日1回就寝前。=1日1錠。

計15種類、1日に錠剤66錠を使用しています。


この2例は老人ホーム入居者を参考に引用した実例です。

高齢者の薬漬けは特別なことではなく、患者が深く考えずに訴えた症状に合わせて
医師はいわれるままそのままに処方を続けている結果なのです。
本来ならば医師の処方箋に対して「疑義紹介」として意見できる権利を有するのが
薬剤師なのですが、おかずのように出される処方箋をおかしいと思いながらも、
様々なしがらみによってそのまま渡してしまっているのではないでしょうか。


薬というのは基本的に人間の体の足りなくなったところを補う、
一時的に低下した能力を補完することができます。
例えば、自力で下げれなくなった血圧や血糖値を下げたり、
自己では排除できなくなった外敵を排除したりもしてくれます。
ただ、実生活に例えると身近なことを自分の代わりに誰かがやってくれている状態なので
その状態が続けば自分自身がどんどんとその能力を失ってしまいます。
もともとできていた事であっても怠けてしまってできなくなるまでになります。
一旦そうなって仕舞えば、もう一度できるようになるには当然時間もかかります。

要するに、本来は自分の身体の能力で対応していたことを
薬が代わりにやってくれる事によって自己の能力を失うのです。

さらに、怠けている間にかわりをやってくれている内容がどんどんと難しいものになりますので
自分の能力としてもう一度できるように戻るための難易度は格段に上がります。

もともと自分の身体がわずかでもできる力が残っていたのに、
薬がやってくれるうちにじぶんでもやらなくなる。
そうすると、手伝っていたレベルであった薬では追いつかなくなるので
完全にかわりができる薬になってゆくのです。
薬がどんどん強いものになってゆくのはそういった事が原因なのです。

そこに加えて、もともと薬の助けのいらないはずの体の状態が
薬が必要になるということは当然ながら生活習慣などに原因があるので、
その原因そのものを取り除かなければ、薬のいらない体には戻らないはずが、
原因はそのままでも薬によって自分の体に関係なく正常のような状態になるため
異常を生み出す原因はそのまま放置され、どんどん助長されてゆくのです。

患者の多くはそのことに気づかず、
気づいていても薬で正常になった数値に安心してしまうのです。

そのせいで原因は改善されないまま、
薬のない体は目に見えないところでどんどんと病魔に蝕まれてゆくばかりか、
自分で回復したり修繕したり防衛したりする力を失っていき、
最終的に代わりのできる薬がなくなった時点で医者にサジを投げられるのです。

薬が強くなる、多くなるということは症状や病気が進行している1番の証拠なのです。
患者の体のかわりをしなければいけない薬の強さがどんどん求められるのと比例して
患者の体の自分でなんとかする能力は失われていっているのです。

薬の習慣性という言葉がありますがこれには2種類の理由があります。
ひとつは、ほとんどありませんが薬の機能に身体が対抗して効き目を無効化し始める場合。
もうひとつの理由がほとんどですが、薬の働き分自己機能が失われてしまい
薬を飲んでいながら薬を飲む前の状態になってしまうケースです。
「薬に慣れてしまう」といった理解をしている方が多いのですが間違いで、
わかりやすく説明するのが難しいのですが、
身体が薬のいらない状態を10とした場合、病気などなんらかの理由で8になったとします。
医師などの診療で薬が処方されその薬を飲み始め、薬の働きで10の状態になります。
この時点で自分の身体の状態は8で薬が2を役割し、合計が10になっています。
ところが、薬が2を助けてくれているあいだに自分の身体が悪化、または怠け始め
自分の身体が6に進行します。そうすると、現時点で飲んでいる薬の働きは2ですから、
6になった自分の体と今の薬の2を足しても8にしかならず、薬を飲む必要のでた
もともとの状態になってしまうため、薬を飲んでも8にしかならないので
薬はきちんと働いているのですが、薬が効かなくなったと感じてしまうのです。
薬を飲んでも8にしかならない状態に不満を感じる患者が医師に相談し、
結果として薬が4の働きを持った強いものになります。
そうなると6に機能低下した体に対して4の働きを持った薬で10になるので
また薬で正常になったと思うのです。
そうして同じように自分の身体の機能が4に、2にと下がるにつれ
薬も6→8と強くしたり、5×2のように量を増やしたりしてゆくのです。

繰り返しになりますが、
本来人間の体には10の状態を維持したり、低下した能力を回復する力があります。
ところが、薬がかわりをすることで自分のそういった力が働かなくなるばかりか
どんどん怠けて能力自体を失ってしまうわけです。

もっともわかりやすいのが糖尿病で、
過去に何度もご紹介しているので細かい説明は割愛しますが、
膵臓から分泌されるインスリン量では足りない分を注射などで体外から補うと
身体が自己分泌の必要性に対して怠け始めます。
自分で作らなくても良いと判断した身体が、膵臓自体のインスリン分泌量を減らしはじめ、
悪化すると最終的に分泌自体をやめてしまい、インスリンの製造能力すら失います。
そうなると自己でのインスリンをはじめとしたホルモン分泌が止まりますので
糖尿病だけではなく重篤な病気も併発します。

薬を使用するということは自分の機能を失ってゆくことなので、
緊急性を要するような場合を除いては、使用についてしっかりと考え
自分の体を守る自然治癒力や自己免疫機能を強くすることを意識したいものです。

血圧や血糖値に代表することですが、
薬を飲まない状態で正常なのが本当の正常な状態であって、
どんなに数値や状況が正常であっても、薬を飲んで得た数値や状況は異常でしかない上、
目に見えなくなった分、より一層危険であるという事なのです。

高血圧や糖尿病、コレステロール高脂血症を筆頭に、
成人病、生活習慣病を患う方、薬を飲まれている方には本当に多いのが
「薬を飲んでいるから正常なので大丈夫」と言い切る方です。
薬を飲んで正常なのは目に見える決められた数値だけであって、
薬を飲まないと異常な状態である身体は、間違いなく異常な状態のままで、
自分の身体は普通ではないから薬に頼らなければいけないのだといった自覚が
本当に欠如しているのです。
人(薬)に頼らなければ自分は何もできないと言って
満足しているのとなんら変わりないのです。

薬を飲まなければいけない状態を作り出した原因はいったいどこにあって、
その原因に対する改善を行わない以上、異常な体を作り出す環境のまま、
薬が無ければ異常な状態のままで生活しているのだということをちゃんと理解すべきです。
原因がそのままならば悪化の一途をたどっているのだということも。

これは診察に当たる医師や薬を出す薬剤師の問題でもあり社会全体の問題でもあります。
専門家から正しい説明を受けたり、きちんと学ぶ機会があれば防ぐことも可能なのです。

安易で楽なことを選ぶ代償は日常生活においても同じことです。
今一度よく考えてみてください。

杉本