杉の坊のつぶやき

実は知らない健康や医療に関する専門的な情報をお届けできるよう頑張ります!個人のつぶやきもあります

iPS細胞によるがんへの可能性

※内容はあくまでも個人の主観です。

 

和歌山県医大のチームが、3月27日までに

iPS細胞から作製した免疫細胞の一種「樹状細胞」を使い

ガンを破壊する事に成功したと発表しました。

 

樹状細胞を利用した免疫療法はすでにありますが、

iPS細胞を使う事で高い破壊力が期待でき、新たな療法として

開発を進めたいとしています。

 

現在の成果は英科学誌電子版に掲載されているようです。

 

樹状細胞は、ガン細胞を攻撃するよう別の種類の免疫細胞に命令を

出すのですが、従来の免疫療法では患者自身の樹状細胞を取り出し、

体外で培養したり、ガン細胞を狙って攻撃できるように手を加えて

体内に戻すというのが一般的な方法です。

 

しかし、がん患者から取り出せる樹状細胞は数が少ない上、

働きが低下しているのが殆どで、そこが課題でした。

 

研究チームは、がん患者のiPS細胞から作った樹状細胞は

健常な人の樹状細胞と同等の高い免疫機能を望める事に着目、

人のiPS細胞から作製した樹状細胞を、試験管内で胃がんや大腸がんの

細胞と混ぜた所、1~3割のがん細胞が消失し、

マウス実験ではがんが約7割破壊されたと発表しています。

 

iPS細胞は一度採血するだけで作製できる上、

治療に必要な分量の樹状細胞も作り出せるため

患者の体の負担が少ない利点もあるとしていて、

チームの尾島敏康講師は「安全性も確認できた。

さらに研究を進めたい。」と話しているそうです。

 

 

昨年に続き、今年に入っても新たな治療法が次々と発表されていますが

実際に病院で気軽に受けれるレベルに至るには10年以上かかるのが

現状です。

 

このブログでも何度もお話していますが、

製薬会社、医学会、医師会、厚労省財務省などなど。。。

現状のお金の問題が片付かなければ実戦投入には至りません。

残念ながらこれが現状です。

 

全く関係ない話ですが、

個々最近の財務省関連の問題だけを見てもわかるとおり

何事にも当事者以外の「都合」がもっとも重んじられ

目的や内容は後回しになるのです。

 

薬や治療の世界では

「患者の為」「病気で苦しむ人のため」

が最も優先するべき事項なのですが、

それはあくまでも “きれいごと” でしかなく、

結局は「お金」に関わる問題が優先されます。

 

誤解がないようにくどく説明しますが、

「画期的な治療法が発見され多くの患者が助かる」

ことよりも

「画期的な治療法によって従来の治療法や薬品によって

 生活の基盤を築いていた多くの人々の生活原資が阻害される

 可能性がある以上、代替法として認可できない」

というのが大まかな結論となるのです。

 

繰り返しになりますが、

要は、画期的な治療法が一般化してしまうと、今まで主力で売れていた

薬や治療が売れなくなってしまうばかりか、患者が治ってしまえば

そのシェアが衰退してしまい、そこで商売していた人たちが干上がってしまう

ので、画期的な治療法を認可するのであれば、法外な金額で販売する事で

一般的な治療として使用することが困難な状態に持って行き、

従来の治療法や薬品が「安価」に利用できる選択肢として残す事もでき、

その結果、画期的な治療法も選択できるが、従来の治療法は健康保険や

国の補助によって安価に利用できる為、両立が可能であり

従来の治療法や薬品に売り上げ減少問題は解決できるであろう。。。

 

といった考え方が優先されているといっても過言ではありません。

 

患者を減らしたり、苦しんでいる病人を助ける事よりも

そういった患者や病人で商売している人たちの生活が

最優先であるということです。

 

 

これは大げさではなく、本当の事です。

国がこういった考え方をしています。

 

多くの医師や製薬会社の関係者も、同じ考え方を

何の疑問も感じずにしている人が多いのにも虫唾が走ります。

 

 

国の政策なら、お金にまみれず国民を最優先してほしいです。。

 

 

一日も早く多くの治療法が身近になる日を望むばかりです。

 

杉本

花粉症の季節

※内容はあくまでも個人の主観です。

 

少し批判的な内容を含みますので

苦手な方は読まないでください。

 

さて、

いよいよ朝のニュースでも花粉症の話題が多くなってきました。

 

ニュースを何気なく見ていて

様々な花粉症の話や専門医の話などやっていますが、

とにかく内容が偏っているばかりか、いい加減な説明が多すぎることに

朝からイライラしていました。

 

専門医の説明が、間違っているわけではなくとも

確実に花粉症に対する認識に誤解を招く内容なので、

もっと丁寧に説明すべきだと思います。

 

また、テレビで話している人間のほとんどが

自身も花粉症でありながらも認識がおかしく感じました。

 

少し批判します。

 

現代社会において、花粉症は「罹って当たり前」なのですか?

花粉症であることを風物詩のように話す姿勢は

私は見ていて気持ち悪い違和感を感じます。

 

花粉症である方は本当に辛いことであると思いますし、

絶対に治らないものではないので、

かかられている方は治す方向を、

諦めずに積極的に向いてほしいです。

 

しかし、私の周りも含め、個人が花粉症を受け入れすぎていて

むしろ花粉症であることを自慢しているようにも聞こえます。

 

酷い言い方だと思いますが、まるで不治の病に罹ったかの如く

酷い症状に苦労している自分に酔っているようにも見えます。

 

今日のテレビを見ていても

花粉症であることの自慢合戦の様な不快なものを感じました。

よく言う、病院の待合室で病状の酷さを競うかの如くでした。

 

ただ一人だけ素晴らしいご意見を述べておられましたが、

最後の方は、結局花粉症の人に気遣った当たり障りのない

フォローを入れて話していました。

 

ではまず、どの辺りが偏った説明、いい加減な説明だったか。

 

一般的に、花粉症は花粉の飛散量や体内蓄積によって

引き起こされるもののようにかたられていますが、

過去の記事で何度も何度も説明してきましたが、

花粉症のメカニズムは、一般で認識されている様な

花粉の飛散量、蓄積量などで発症したりするものではありません。

 

簡単に言えば花粉症は「アレルギー」症状です。

難しく言えば「免疫不全」です。

 

大元の原因は自己の免疫機能の異常による症状で、

その異常を引き起こす原因は現代医学ではわかっていません。

 

繰り返しますが、

現代医学では免疫の異常の原因はわからないのです。

 

何らかの原因で正しい働きをしない免疫の反応が

アレルギーに繋がるのですが、要するに発症の引き金となる

そもそもがわかっていないのです。

 

無責任な専門医や有識者が話す内容は

あくまでも個人の推測の域にすぎないものであって、

現代社会で重きを置かれる科学的な根拠は存在しません。

 

従って、テレビなどで話されている、

「花粉の飛散量が多いから花粉症になる」とか

「体内の蓄積量が一定を超えたから花粉症が発症」

などと言う根拠のない説明は非常に無責任な説明なのです。

 

そもそもの発症メカニズムがわかっていないものに

理由が説明できるはずがないと思うのが自然なのですが、

何故か蚊に噛まれる様な感覚で発症すると思い込み

花粉を毛嫌いして、植林自体を変えようとしています。

 

これは本当に愚の骨頂で、

人間の最もダメな、人間の都合で自然の生態系を変える

本当に愚かな行為です。

 

確かに、花粉症の状態になっている人に対しては

花粉自体が敵になるわけですが、

花粉はくしゃみや鼻水などの症状そのものを引き起こすものであって

免疫の判断機能を異常にしているものではありません。

 

もっと分かりやすく言うと、

免疫機能が異常な状態だから、花粉に対して反応するのであって

免疫機能が何故異常になったのかはわからないということです。

 

医師ならば当然わかっていることなのですが、

わかっていることを前提に可能性の話をするので

何も知らない方からすれば、諸悪の根源が花粉に聞こえます。

 

挙げ句の果てに、医学で未解明な事を履き違え

絶対に治らないと無責任な断言をする医師が多いのも事実です。

 

もう一つ言わせてもらうと、

くしゃみや鼻水、咳、目のかゆみなど

花粉症に代表される症状というものは、なにも花粉症だけでなく

人間の生命活動において、とても重要なものです。

くしゃみや鼻水は鼻孔鼻腔内の異物への反応ですし

咳も同様に体外に喉粘膜の菌などを出す反応です。

 

免疫の異常状態というのは、この防衛反応が過剰に暴走している状態で

健康な方であれば程よくこういった症状が出るわけです。

 

従って、本来はこれらの反応を抑えたり封じ込めることは

外敵からの防衛反応をオフにすることに等しいのです。

 

人間は、体調の変化に応じて必要になったと判断して

それらの症状をあえて行うわけですが

人々はその反応を嫌って薬に頼って抑えようとします。

 

また、朝の目覚めなどに伴って

体が一生懸命起きている活動に備えるため、

また、睡眠中にやってきた外敵を排除するために

起床するとともにくしゃみや鼻水、咳といったものを起こし

寝ている間にはできなかった反応を起こしたりもします。

 

しかし、花粉症という言葉が蔓延するとともに、

何気ない通常の反応であるくしゃみや鼻水までもが

全て花粉症だという認識になってしまいました。

 

「朝起きたらくしゃみが出る」

「起床してから鼻水が」

などなど。。。

 

咳やくしゃみ鼻水は風邪の諸症状でもあります。

正しい診断をしないまま、何でもかんでも花粉症

だと決めつけて仕舞えば、かえって重篤な病気を見逃します。

 

今年流行した「隠れインフルエンザ」と呼ばれる、

従来のインフルエンザと違って、軽い風邪症状が続く

そんなパターンも想定できます。

隠れインフルの場合、宿主は軽い症状でも

感染先では通常のインフルエンザの様な症状になるケースもあり、

きちんと受診していない人が、

軽い風邪や、花粉症だと思い込んで出歩けば、

インフルエンザを罹患したままで歩くのと何ら変わらないのです。

 

私個人は、この状況、

「何でもかんでも花粉症症候群」とも言える状況は

様々な二次的被害を沢山発生させている

本当に重大な問題だと感じています。

 

人間は生きていればくしゃみも出ますし鼻水も咳も出ます。

 

それらの反応は、本来ならば身を守るために

必要だから出るのです。

 

昔の子供たちは、鼻水でずるずるになりながら外を走り回り、

いろんな怪我をして、触ってはいけないものを触って、

体がどんどん学習して強くなっていったと私は思います。

 

 病気に対する認識は、本当にきちんと理解しなければ危険なものです。

 

すこし考えたいものですね。

 

 

杉本

癌の新療法

※内容はあくまでも個人の主観です。

 

今月14日、千葉県柏市国立がん研究センター東病院

近赤外線を使ったがん治療「光免疫療法」の治験を開始すると発表。

この療法の国内での治験は初めて。

 

治験対象は、他に治療法のない頭頸(とうけい)癌患者数人。

治療薬の安全性を確認し、国内承認を目指す。

米製薬ベンチャー「アスピリアン・セラピューティクス社」が

同病院に実施を依頼した。

 

光免疫療法は、米国立衛生研究所(NIH)の小林久隆主任研究員が開発。

がん細胞表面のタンパク質に結びつく「抗体」に、

近赤外光に反応する化学物質を取り付けた薬剤を患者に注射。

続いて患部に近赤外線を照射すると化学物質が反応して

がん細胞の細胞膜が傷つき破壊する。

従来のがん治療よりもがん細胞をピンポイントで攻撃できるため

副作用が少ないと期待されている。

 

治験に参加できるのは18歳以上で、

身の回りのことが自分でできる体調

臓器の機能が保たれている

などの条件がある。

 

米国では2015年から治験が始まり、これまでに頭頸部がん患者15人のうち

7人のがんがなくなり、残る7人のがんが縮小する効果が確認されている。

 

 

このような記事が毎日新聞によって紹介されていました。

 

まだ治験の段階なので、実際に最前線での治療に導入されるには

いくつものハードルを越えなければいけませんので、

ここから治療の選択肢として病院で使われるようになるまでに

およそ10年から30年はかかるのではないか。。というのが感想です。

 

とはいえ、免疫チェックポイント阻害治療に代表して、

免疫や抗体の働きを利用した治療法は今までにもたくさん出てきています。

 

ただし、高額であるなどの理由から

まだまだ気軽に受けれる治療ではありません。

 

当然ながら、最終的なハードルとして

現状の抗がん治療薬のシェアを潰す可能性がある部分をクリアしなければ

どんなに優れた治療でも現場に投入されることはまずありません。

 

とてつもない高額のまま選択肢として目の前に現れるか、

安全性などの理由から認可に至らない可能性もあります。

 

現在のシェアを占めているメーカーにこの権利が渡れば

もしかするとメインの治療法に名を連ねるかもしれませんが

医師会、薬剤メーカーなど、実際にビジネスとして運用している環境が

ある以上、どうしても避けることのできないたかいかべになります。

 

また、この治療法をざっくりと聞いた感想ですが、

個人的に副作用の可能性は、従来の抗がん剤に比べてましではあっても

自己の免疫機能や正常な抗体に作用してしまう可能性があるのではないかと

ちょっとだけ思っています。

 

でも、

現在の病院の治療に比べればはるかにましですし

期待できるものであることは確かです。

 

どちらにしても、良い治療法がどんどん確立されて

本当の意味での「治療」を行ってもらえる環境に

なってほしいものです。

 

 

杉本