杉の坊のつぶやき

実は知らない健康や医療に関する専門的な情報をお届けできるよう頑張ります!個人のつぶやきもあります

ありがとうございました

 

2016年は予想以上に多くの皆様にアクセスいただき

本当に有難うございました。

 

2017年が皆様にとってすばらしい1年になりますよう

心よりお祈りいたしております。

 

記事の更新が不規則ですが

独り言ながらいろいろと掘り下げて

これからも書いていければと思っています。

 

どうぞ2017年も宜しくお願い致します!

 

よいお年をお迎え下さい。

 

 

杉本

無駄のない人体

※内容はあくまでも個人の主観です。

 

人間の体には様々な器官や臓器などがあります。

その中でも一般的には「不要」だと思われている

「特に必要ない」と認識されているものがあります。

 

代表的なものが〝盲腸〟いわゆる虫垂です。

大半の場合には盲腸は虫垂炎のことを言うのですが

厳密には大腸の一部である盲腸部分から虫様突起しているのが

虫垂で、盲腸部分と虫垂部分は別のものです。

盲腸部分から突起している虫垂は一見不要の部品のように見え、

この部分が炎症を起こしている状態が盲腸炎虫垂炎と呼ばれます。

 

この虫垂はもともと生理機能がないと認識されていて、

まさに「不要」だといわれていました。

しかし近年の研究ではリンパ組織の一つとして胃腸の免疫機能に

大きく関わっていることが研究機関から報告されました。

アメリカの専門家が消化系を患っている患者数百人を対象に調査したところ

全体のおよそ84%が虫垂を切除していたことがわかり

胃腸の免疫機能に関わる報告との関連が強くなっています。

人体の免疫機能の構成要素であり、恒常性機能を高める

調和した体内循環システムの維持をサポートする役割を備えると

研究機関でも注目されています。

炎症を起こしてしまった場合は仕方がないですが

できうる限り触らないほうがいいというkじょとですね。

 

他にも

扁桃体」は抗菌作用を持ち外部からの感染攻撃から人体を守り

有害微生物の約7割を遮断、また扁桃体からの分泌によって

造血細胞の合成にも役立っています。

 

脾臓」には血液をろ過する唯一の能力を持ち

造血、老化、衰弱する血液細胞を一掃して免疫反応を高める

といった役割を持っています。

最新の研究では脾臓のろ過機能を利用した敗血症の治療方法が研究され

豚の脾臓を利用した患者の血液ろ過研究も進められています。

 

「胸腺」は免疫力の保護や向上に関する重要な器官で、

骨髄幹細胞が胸腺に移動することでリンパ球の一種、

T細胞に変化して細菌やウイルスを退治したり

抗がん作用としての働きにも大きな働きを担っています。

 

「尾骨」は脊柱の保護 に重要な役割があり、

尾骨の損傷は全身の健康を損なう恐れもあります。

尾骨切除の患者の半数以上が、内臓下垂や脊柱に関する

問題を抱えていると指摘されています。

 

このように、
人間の体の様々な部位には何かしら役割があると

近年になって研究が進んできていますが、

過去には炎症を起こす前の虫垂を切除したり

扁桃腺を取ってしまう手術を推奨していた時期があります。

 

医学や科学の進歩とともに

考えられてきていた通説が180度変わったり、

肯定していたものが否定されたり

否定されていたものが肯定されたり

目まぐるしく変化を続けています。

 

これは当然のことなのですが

並行して多くの問題も抱えています。

 

いつも記事の中で指摘していますが、

その時々の極端な結論じみた情報を鵜呑みにせず

しっかりと静観して見極めることが

やはり非常に大切なことではないかと

繰り返しお伝えしたい部分です。

 

 

杉本 

 

ガンと新薬

※内容はあくまでも個人の主観です。

 

間違っていたらすみません。

 

今年に入って注目されているガン治療薬「オプジーボ」。

別名をニボルマブという、抗PD−1抗体製剤で、

対象となるガンの部位を含めて幅が広がっています。

 

ただ、注目の点はその効果よりも値段の高さで、

これについては前記事、前々記事を参照してください。

 

このオプジーボについで認可された抗PD−1抗体製剤が

ペムブロリズマブ(キイトルーダ)です。

 

認可の時点では根治切除不能な悪性黒色腫に対しての適応です。

 

しかしながら、情報だけを一部抜粋すると、

 国内臨床試験では、副作用が81.0%認められていることに十分注意する必要がある。主な副作用はそう痒感・斑状丘疹状皮疹(各14.3%)、倦怠感(11.9%)などであり、重大な副作用は間質性肺疾患、大腸炎、重度の下痢、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、類天疱瘡、神経障害、肝機能障害、肝炎、甲状腺機能障害、下垂体機能障害、1型糖尿病、腎障害、膵炎、筋炎、横紋筋融解症、重症筋無力症、脳炎、髄膜炎Infusion reactionが報告されている。中でも、劇症1型糖尿病は類薬ニボルマブで発症報告があり、既に注意喚起が行われていることから、本薬使用においても同様な注意喚起がなされている。

とあります。

 

副作用が81%って。。。どんなもんでしょう?

 

抗がん作用のある、いわゆる「抗がん剤」では

表現はおかしいかもしれませんが

副作用が効果を超えることは当たり前です。

だからとはいえ従来とは働きの違う製剤でも

これほどの副作用を有します。

 

なぜそんなに副作用が強いのか?

といった質問を医師に投げかけても

「ガンはそれほど強い厄介なものなので、それほどに強い薬が必要」

などといった的外れもいいところの説明をする場合もありますが、

そもそも副作用と薬の強さは関係ありません。

副作用は副作用であって本作用は本作用なのです。

少し難しい解釈が必要になりますが、

副作用もその薬が持つ立派な働きなのです。

 

過去の記事でも紹介しましたが、

一つの薬に対して都合の悪い働きや作用を副作用と呼び、

目的とする作用を効果効能としているだけなのです。

 

効き目が強いから副作用が強いのではなく、

薬そのものの効果がそういったものであるわけです。

 

ですから「強い薬なので副作用も強くなる」というのは

表現そのものがおかしいのです。

「その薬はもともとがそういった薬」なのです。

 

過去の記事と重複しますが、

従来の抗がん剤の発想は

ガンを毛虫、人を木に例えるとわかりやすいかもしれません。

 

例えばですが、

 

木に毛虫がついて増殖すると枯れるかもしれないので毛虫を駆除したい

とりあえずどんな毛虫か調査する

ちょっとやそっとの薬では死なない毛虫であることがわかる

毛虫は確実に殺せるが木も高い確率で枯れるかもしれない薬

または

毛虫に効くかは五分五分だが木は確実に強いダメージを受ける薬

を使わざるを得ない、それしか方法がないので使う

(どちらにしても木は枯れかねない)

結果

1、毛虫は全滅したが木も枯れた

2、毛虫は減ったが木が耐えきれず枯れかねないので中止

3、毛虫はビクともせず木は枯れた

4、毛虫は全滅したが木には深刻なダメージが残った

5、毛虫が目の届くところにいなくなった

 

おおざっぱにはこんな感じです。

 

これを部位、早期発見の単位で考えた場合

木の枝で考えるとこんな感じになります。

 

一つの枝にわずかだが毛虫が発生した

放っておくと増殖する可能性があるので駆除したい

毛虫ごと枝を切り落としてしまおう→「後日別の枝に発見」に移動

または

さっさと一網打尽にしたいのでそれなりの薬を使おう

それなりでは効かないので薬を強くしていく

数が減ったので継続

発見した枝に毛虫がいなくなった

駆除が成功した(治療が良かった)

後日別の枝に毛虫を発見(転移)

最初の

「放っておくと増殖する可能性があるので駆除したい」

に移動

以下ループ。

 

 このような具合になります。

 

この例えでは人を木にガンを毛虫にしていますが、

例えとはいえども実際の状況でも

人と同じように木にも毛虫から身を守る能力があります。

また共存する能力もあります。

毛虫から身を守る能力は人間で言うところの

自己免疫機能、

です。

 

共存する能力というのは

木に毛虫がついていてもその毛虫が木に害なのか

そうでないのかは毛虫によって違います。

ガンも同じで、

ガンとは呼ばれるものの、種類や状況によっては

触らないほうが平和に共存できる場合があるのです。

 

新薬であるペムブロリズマブ(キイトルーダ)は

「免疫チェックポイント阻害薬」

という分類の製薬で、

これまでには有名なオプジーボ(ニボルマブ)、

イピリムマブ(ヤーボイ)

が同系の製薬として用いられています。

 

「免疫チェックポイント阻害薬」の働きを

先ほどの木に例えた場合は、

 

木に害のある毛虫が発生した

木が本来持っている自分の能力で

毛虫を駆除するための物質(A)を出す

毛虫がその物質(A)の働きを妨害する物質(B)を出すため

駆除するための物質(A)がうまく働かなくなる

そこで「免疫チェックポイント阻害薬」を使用すると

毛虫の発する(B)の働きを阻害し、

(A)の働きを邪魔しないようにすることができる。

 

というものです。

わかりにくかったらすみません。

 

要は、

自分の免疫機能が正常に働くようにするものです。

 この場合の免疫機能というのはT−細胞のことを指します。

 

脱線しましたが

自己機能が正常に働くようにする薬だと

認識していただければ一番しっくりくると感じています。

 

ここまでで勘のいい人は気付くと思いますが

自己機能がどれほど優秀であるかという点です。

 

阻害を阻害しなければいけないほどの能力というか

それほどの力が元々体には備わっているのだということです。

 

新薬の方向も大きく変化してきてはいますが

副作用の問題はつきまとってしまうのは

悲しいことですね。

 

より一層の進歩を期待したいです。

 

杉本