杉の坊のつぶやき

実は知らない健康や医療に関する専門的な情報をお届けできるよう頑張ります!個人のつぶやきもあります

新型コロナにおける病態「血栓症」

※内容はあくまでも個人の主観です。

 

 

今回は原点に戻り真面目に書きます。

 

 

新型コロナウイルスにおける症状や後遺症については

様々な意見や情報が出回っています。

 

その中で、医師、専門家による論文を基に

特に注目される症状が「血栓症」です。

 

経済を原因として社会活動が優先されるなか

政府の対応や呼びかけに対して勘違いを起こし

新型コロナウイルスを「ただの風邪」として扱う風潮や

「せいぜいインフルエンザと同等」である

といった意見がどんどん増えています。

 

しかし、医療現場における新型コロナの扱いは

どんなに社会が軽視しようとも、政府が「ただの風邪」だと言い放とうとも

治療をする為の物差しにも目安にもなりません。

やはり何処まで行っても「新型コロナウイルス」の「病態」なのであって

どんな病気であってもその「病態」が重要視されるのは当然です。

 

「病態」が重要視されるのは当たり前のことで、

そのそれぞれの病気の特性によって

本質的な治療法を行わなければいけません。

そのための「病態」なのです。

 

 

様々な論文や症例報告において症状の本質と考えられるものに、

実際の新型コロナ感染者の症状として

過剰に亢進した人の自己防衛機能と、

自己防衛機能が招く尋常ではない「血栓症」があります。

 

 

COVID-19の典型的な肺炎画像があり

画像には、Crazy Paving Patternと呼ばれる

マスクメロンのような模様と微小血管の拡張があるそうです。

 

Crazy Paving Patternが認められる疾患

感染症
 細菌性肺炎、マイコプラズマ肺炎、ウイルス性肺炎、SARS、ニューモシスチス
間質性肺炎
 通常型間質性肺炎(UIP)、非特異性間質性肺炎(NSIP)、急性間質性肺炎(AIP)、特発性器質化肺炎(COP)、薬剤性肺炎、放射性肺臓炎、過敏性肺臓炎(HP)、サルコイドーシス、急性呼吸促迫症候群(ARDS)
・肺血管性疾患:
 肺血栓症、肺水腫、肺出血
・腫瘍:
 浸潤性粘液産生性腺癌
・その他:
 肺胞蛋白症、リポイド肺炎、好酸球性肺炎、溺水

 

 

過去の記事で少し紹介していますが、

ウイルスが肺胞に侵入すると炎症性サイトカインという

免疫に関わるタンパクが単球やマクロファージといった

免疫細胞から分泌されます。

これが過剰分泌されてサイトカインストームとなります。

好中球はウイルスを貪食しようと、細胞外トラップという

網状のタンパクを出し、貪食後自ら自爆していきます。

血管内皮は損傷し、血栓症に対して抑制的に作用していた

トロンボモジュリンは内皮から剥がされ、

血中に湧出します。

フォン・ヴィレブランド因子も遊離し、

活性化血小板とともに微小血栓(ミクロ血栓)を形成します。

 

IL-6(インターロイキン6)という、リウマチの炎症にも関連する炎症物質が

凝固能亢進を起こす為、重度の血栓症の原因となり、

凝固活性化につながっていると考えられます。

また、IL-6が直接的な多臓器障害も起こします。

心臓に関して言えば、心筋傷害や頻脈性不整脈などを惹起します。

 

確かにコロナウイルス自体はこれまで、

風邪(普通感冒)の原因として知られていました。

しかし、今回の新型コロナウイルスは、

過剰反応を起こさせる性質を持っているということです。

 

 

現在ワクチンなど特効的な薬剤が存在しないなかで

的確な治療というものは存在しませんが

対症療法として行われている治療では

重症化や致死の直接的な原因となる

サイトカインストームを抑制し、抗凝固を行うことです。

 

 

こういった治療法などを背景に考えてみれば

たとえ重症率や致死率が低いと言っても、

将来的な後遺症や、継続的慢性的な疾患を伴う可能性がある

新型コロナを「ただの風邪」と考えてしまうのは

人間の生活においても

運動能力や免疫機能の低下した若年齢層が増えるのは

やはり未来への多大な損失になるのではないかと私は思います。

 

 

杉本