杉の坊のつぶやき

実は知らない健康や医療に関する専門的な情報をお届けできるよう頑張ります!個人のつぶやきもあります

マスクの熱中症リスク

※内容はあくまでも個人の主観です。

 

 

初夏を感じさせる日が多くなってきました。

日差しはきつくても風がひんやりと気持ちいいですね。

 

暑い日が多くなり、夏に向けいよいよ衣替え。

日中と朝晩の気温差に、着る服に頭を悩ます時期でもあります。

 

 

さて、気温の上昇とともに心配されるのが「熱中症」です。

その「熱中症」について、現在のマスク社会が熱中症のリスクを上げないか?

といった声がありますので、その点について少しお話ししたいと思います。

 

まず、マスクをする事で熱中症のリスクが上がるのか?について

残念ながら根拠などを示す確固たるデータはありません。

真夏にマスク着用を続ける必要があるかもれない段階とはいえ、

過去にそういった経験もありませんので未知数の状態です。

実際の臨床的で専門的な分野のデータも情報も無いため、

生理学的な背景から考えることしかできない状態です。

 

 

まず、熱中症ってどんなもの?について、

熱中症は、体の深部の体温の上昇に伴うサイトカインの産生など

様々な生体反応の結果、臓器の障害などにつながる現象で、

熱の産生が多い、熱の放出ができない、熱がこもるなどの状態です。

体温の調整ができなくなってしまうような状況でもあります。

 

熱を作りすぎる、脱水などで熱が循環しない、

発汗能力が低下したり、環境により放熱できなかったり、

そういった原因から熱中症につながっていきます。

 

人間の熱の放出は、皮膚、発汗(気化熱)で大部分をまかなっていますので

単純にマスク着用程度ではリスクに直結する事は考えにくいかもしれません。

 

人間と違って、発汗で体温調整のできない犬は舌で体温調整しますので、

例えば犬にマスクをつければかなりのリスクになるかと思います。

 

毎年熱中症では多くの方が亡くなっています。

2018年は約9万5千人が救急搬送されて581人が亡くなっています。

 

熱中症に関しては過去の記事で紹介していますので

これ以上の細かな部分については本記事では書きません。

 

個人的な見解ではありますが

マスク着用時の熱中症リスクについて考えてみます。

 

個人的に比較的ハードな運動を行いますので熱中症の経験もあります。

またその経験上、熱中症の状況などにも立ち会う事が多く

そのため色々な事が想像でき、考える事ができます。

 

ただ、

あくまでも本記事で考えるのは、気温が上昇する夏季において

日常生活を送る上でのマスク着用についてですので

運動時などの状況については全く別と考えてください。

 

個人的に考えるマスク着用のリスクとして、

マスクが脱水状態を感じにくくしてしまう可能性があり

そのために水分補給が遅れ、不足する事が考えられます。

 

睡眠時にマスクを着用する事で、喉や粘膜の乾燥を予防した

といった経験をお持ちの方もおられるかと思います。

マスク着用時に口の周りが呼気によって蒸れるように、

口と鼻の粘膜に関しても湿度を保つ事ができます。

 

人間のからだには多くのセンサーのようなものがあり、

そのセンサーからの情報によって様々な働きを体内に起こします。

ここからは仮説ですが、

体を取り巻く環境、気温や湿度などを感じて体温を調整したり

そこから発汗したりといった反応が起こるこの働きを前提に考えると、

マスクに覆われた顔部分、口や鼻といった部分は特に情報収集の活発な、

体の中でも比較的重要な役割を担っている事は想像しやすいと思います。

 

マスクによって直接的な外界の情報が隔たれた事で

マスクの中の状態が外界の状態だと認識します。

粘膜や肌が適度な湿度を保つ状態が続いているために

状態としては体は乾きを感じていないと認識する可能性があります。

 

実際に、

気温の高い状態であれば発汗などによって

水分はどんどん失われていきます。

しかし、粘膜や肌が一定の保湿が続くことによって

喉の渇きを感じさせる「何かを飲みたい」と思わせる命令が

遅れる、または体に必要なのに命令が出ない可能性があります。

 

特に普段からあまり飲み物に積極的で無い方は

マスクもしていて面倒な上に、口が乾かないので

余計に飲み物を摂取する機会が減る可能性もあります。

 

そういった事が連鎖して結果的に水分が不足し続けてしまい

脱水症状になってしまう事が予想できます。

 

体内部の脱水を感じて脳に命令を出す系統は意外と敏感ではなく

体内部の命令系統は脱水を自覚症状が出るまであまり変化しません。

脱水状態を自覚した時にはすでに少し遅い事が多いのも

こういった様々な要因が関係しています。

 

「喉の渇き」という言葉の通り、鼻や喉の粘膜などの情報を元に

脳への命令系統から「喉が渇いた」と思わせる信号を出すので

基本的には体内ではなく体表などの一定の湿度を保つ部分の情報を元に

早い段階からの水分の調整を行なっていると考えるのが最もシンプルだと思います。

 

体内の水分を利用して粘膜や肌表面の水分量を調整しますから

常に少しずつ肌の表面などから水分は失われていきますので

それを補っていけば体の中の水分は当然減っていきます。

おそらく、粘膜情報はかなり早い段階で水分を補う量の調整が行われ

徐々に水分の割合が少なくなる事が命令につながると考えれば、

マスクによって粘膜などが保湿された状態が続けば

命令が遅れてしまい脱水症状につながる可能性は十分にあると言えます。

 

したがって、

マスクによって直接的に熱中症のリスクがあるというよりも、

マスクによって脱水状態を招きやすい事が考えられるので

その脱水からの熱中症につながる可能性は十分に高くなる。

脱水や、塩分、糖分の不足は熱中症リスクを跳ねあげます。

 

という事になるので、

結果としてはマスクの着用に伴い水分の補給を

少しだけ積極的に心がけましょうというのが結論です。

 

水分補給についても、こちらも過去記事で紹介しました。

水分を過剰に取ることも様々な症状の原因になるので

何事も程々と、何事も少し考えて少し留意する事が

大切だという事ですね。

 

杉本