※内容はあくまでも個人の主観です。
石田純一氏の入院に伴って記者の質問に対しての
事務所担当者の回答といった記事に誤解を生むものがありますので
個人的に否定しておきます。
本文から、
事務所担当者は「平熱で食事もしっかり取っています」としながらも「血管が詰まりやすくなる恐れがあるようなので、サラサラになる薬を処方してもらっています。脳溢血（いっけつ）や脳梗塞（こうそく）になりかねないので慎重に治療をしています」と説明。
といった記述があります。
多くの報道では確認できるものが少なかったのですが
薬（アビガン）の副作用によって血管が詰まりやすくなっている
といった記述の記事があります。
上記の引用ではそういった記述はありませんが、
ネット上でのニュースなどで一部「薬の副作用で」と、
加えられているのかはわかりませんが
アビガンの副作用を連想させる文が見受けられたので
否定しておきますがアビガンに現時点ではその副作用はありません。
なお、アビガンの副作用は以下の通りです。
副作用
副作用発現状況の概要
承認用法及び用量における投与経験はない。
なお、国内臨床試験及び国際共同第III相試験（承認用法及び用量より低用量で実施された試験）では、安全性評価対象症例501例中、副作用が100例（19.96％）に認められた（臨床検査値異常を含む）。主な副作用は、血中尿酸増加24例（4.79％）、下痢24例（4.79％）、好中球数減少9例（1.80％）、AST（GOT）増加9例（1.80％）、ALT（GPT）増加8例（1.60％）等であった。
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用 ■ 異常行動（頻度不明）
因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動（急に走り出す、徘徊する等）があらわれることがある。
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用 (類薬) ■ 他の抗インフルエンザウイルス薬で次のような重大な副作用が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
■ ショック、アナフィラキシー
■ 肺炎
■ 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸
■ 中毒性表皮壊死融解症（Toxic Epidermal Necrolysis：TEN）、皮膚粘膜眼症候群（Stevens-Johnson症候群）
■ 急性腎障害
■ 白血球減少、好中球減少、血小板減少
■ 出血性大腸炎
注1）
| 1％以上 | 0.5〜1％未満 | 0.5％未満 | |
| 過敏症 | 発疹 | 湿疹、そう痒症 | |
| 肝臓 | AST（GOT）増加、ALT（GPT）増加、γ-GTP増加 | 血中ALP増加、血中ビリルビン増加 | |
| 消化器 | 下痢（4.79％） | 悪心、嘔吐、腹痛 | 腹部不快感、十二指腸潰瘍、血便排泄、胃炎 |
| 血液 | 好中球数減少、白血球数減少 | 白血球数増加、網状赤血球数減少、単球数増加 | |
| 代謝異常 | 血中尿酸増加（4.79％）、血中トリグリセリド増加 | 尿中ブドウ糖陽性 | 血中カリウム減少 |
| 呼吸器 | 喘息、口腔咽頭痛、鼻炎、鼻咽頭炎 | ||
| その他 | 血中CK（CPK）増加、尿中血陽性、扁桃腺ポリープ、色素沈着、味覚異常、挫傷、霧視、眼痛、回転性めまい、上室性期外収縮 |
注1）国内臨床試験及び国際共同第III相試験（承認用法及び用量より低用量で実施された試験）で認められた副作用。
ファビピラビル（アビガン）
の副作用については以上です。
症状や治療および併用する薬品、患者の体質などによっての
因果関係などについては割愛しますが
単純に血管が詰まりやすくなると言われる症状は
現時点では新型コロナウイルスの症状として報告されています。
過去の記事でも紹介しましたが
過去記事「コロナによる脳梗塞」
D-dimer値を院内死亡率リスクの指針として
用いられている事を紹介しました。
感染によってこの値が上昇する事が指摘されていますが
これも血栓などの一つの目安となります。
今後の研究や臨床によって
どのような結果になるかは
まだまだわからないことが多いのは確かですが、
血管がつまりやすい状況は今の時点では
薬の副作用ではなくコロナ感染の症状だと
そう認識されているということなので
ファビピラビル（アビガン）の副作用だと
安易に考えないようにお願いします。
杉本
