※内容はあくまでも個人の主観です。
よく耳にする薬と食品の飲み合わせですが、
これは主に含有成分と薬の成分の反応が原因です。
最近インターネット上でも少し話題になりましたので
こちらでも何パターンかご紹介させていただきます。
1、ヨーグルトなどに代表する「チラミン」を含む食品と風邪薬。
チーズ、ヨーグルトに、味噌等の発酵食品、アボガド、赤ワインに
多く含まれる物質で、体内の酵素の働きによって「セロトニン」という
神経や精神状態に影響をもたらす物質に変化します。
その時に使われる酵素が総合感冒薬(風邪薬)、鼻炎薬に含まれる
塩酸フェニルプロパノールアミンや、パーキンソン病薬のセレギニン、
チラミンを含む食べ物とこれらの薬を一緒に服用すると
薬とヨーグルトが同じ酵素を取り合うため、セロトニンの合成も阻害される上、酵素の分解が阻害され遅れたり、激しい頭痛や高血圧、吐き気を催す恐れがあります。
2、「ビタミンk」と抗凝固薬
ビタミンKは納豆やほうれん草、昆布などに多く含まれています。
このビタミンKには血を固めやすくする作用があるため、
血中の血の塊を作りにくくするワルファリンなどの抗凝固薬を使用する場合
薬の働きを弱める可能性があるため注意が必要です。
3、グレープフルーツと抗ヒスタミン剤
柑橘類の中でもグレープフルーツは、薬の吸収に働く
「シトロクロムP450」という酵素の働きを弱めます。
この酵素が関連する薬は多く、
グレープフルーツと一緒に摂取してはいけない薬になっています。
代謝が悪くなり、分解が遅れるために薬が残る時間が長くなり
効き目が長くなったり効きすぎたりしてしまいます。
血圧の薬では効きすぎて低血圧状態がさらに進行する場合もあり、
向精神薬や血圧の薬などは特に注意が必要になります。
グレープフルーツを食べたりジュースで飲む場合、
薬の摂取からは2時間〜4時間をあけるように注意が必要です。
牛乳などに代表されるカルシウム、マグネシウムは、抗生物質と結びつき
作用を弱めます。また、牛乳には胃酸を中和する働きがあるため、
腸で溶けるような薬、腸溶錠などが胃で溶け始めてしまい、腸まで薬が届かなくなる場合があります。
5、アルコールと鎮痛剤
アルコールも薬も肝臓で分解されます。
そのため、アルコールと薬を同時に摂取すると、薬の分解が遅れてしまいます。
その結果、薬の効果が本来よりも長く続いてしまい、薬の効果が増してしまいます。
睡眠剤や抗鬱剤、鎮痛剤などでは意識障害が起きる可能性もありますので気をつけなければいけません。
基本的に上記のすべてに共通するのは、
薬を分解して無毒化するための体内酵素が働けない、または合成できないなどの阻害状態が起こるために薬の効き目が異常状態になるということです。
それだけ食べ物の含有成分というのは無視できない影響があるということです。
ちなみに、薬同士の相互作用については
薬の働きやメカニズムに精通することで組み合わせが理解できますが、
専門的には、薬理学や分子生物学の最新知見を学ぶことで発現機序(しくみ)を、
薬剤の組み合わせとともに相互作用を引き起こす組み合わせや
起こりうる結果を見ることができます。
しかしこれは専門的すぎますので、一般では馴染みがありません。
上記についてもほんの一例ですが、様々な飲み合わせがありますので
処方に関しては、現在は処方箋に詳しい説明もつきますので
しっかりと確認し、不明な点については
専門的な知識を有する、医師、薬剤師に相談してください。
杉本