杉の坊のつぶやき

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基準への解釈

※あくまでも個人主観です。

 
病気を判断する基準として様々な数値があります。
 
血圧なら上が130下が84を基準としてはずれると
高血圧、または予備軍として診断され薬が出る場合があります。
 
血糖値なら空腹時血糖の値が100、食後で140、境界型の上限で200です。
ヘモグロビンA1cの数値が6.2と定めています。
 
コレステロールに関しては、LDL(悪玉)が140以上、HDL(善玉)が40以下、
トリグリセライド(中性脂肪)が150以上と決められています。
 
腫瘍マーカーと呼ばれる、癌の細胞が作り出す特殊物質の数値に関しては、
基本13種の数値を複合して状況に応じて判断します。
 
血圧や血糖値、コレステロールに関して、
年々その基準値が下げられています。
 
ただ、その基準決定について、断言しますが明確な根拠はありません。
『うまれたての赤ん坊が癌になる可能性がある』
というくらいに極端なレベルで決められていて、
可能性としては確かにあるものの、将来的に重篤な病気に繋がったり
予備軍として確実に積み重ねを行っている段階なのかははっきりわかりません。
 
あくまでも『可能性がある』レベルです。
 
基準を設けることの利点としては、
診断しやすいことや予防的な意味合いが大きいのですが、
要不要の判断はとても難しいものとなります。
 
血圧の上限数値は現在130〜135となっていますが、
年数をさかのぼるともともと基準値はもっと高いものとなっています。
 
生活習慣の変化や食生活の変化に伴っての変化であるとの解釈が大半ですが、
実際には医療制度や予防医学、そして厚生労働省の監視下による栄養機能などの
情報が増えている中で逆行しているともいえます。
 
およそ20年前の基準は160と、現在では間違いなく高血圧として薬が処方されますが、実際にこの基準設定に関する明確な根拠は残念ながら示されていません。
 
まず、血圧基準に対して考えていただきたいのは、
小学生から大人まで同じ基準で考えるのであろうか?ということです。
一般的に、血圧を気にする年齢自体が、はやくとも30代以上でしょうか?
社会人としての生活を続ける中、食生活やストレス、就業による生活習慣の不規則さを原因として体型の変化も現れ、就業上の健康診断などで数値が発覚するケースがほとんどかと思われます。
 
では、30代、40代、50代と、年齢推移に対しての変化はどうかというと、当然ながら体質も何もかも変化します。経年と共に各機能も低下しますし、代謝も変化します。
このように、数値を形成する条件が変化しているのですが、多くの医療機関や医師は定められた基準を元に診断します。
基準を上回れば高血圧、下限を下回れば低血圧として診断し、場合によっては薬を処方するわけです。ただ、医師によっては基準に対しての独自の解釈を加味しますので、150でも薬を出さない医師もいれば、135程度の時点で薬を出す医師もいます。
 
ここで参考程度に血圧の数値の判断のひとつの形をご紹介しておきます。
生活習慣を前提として指導を行ってくれる医師などが用いている判断基準ですが、まず基本となる数値の判断は『年齢+100』が正常値だと考えることが出来るようです。
35歳なら135、70歳ならば170といった具合に考えます。
年齢によって血管内の汚れ?や、血液粘度も上がることを考慮すると、年齢が上がるにつれて血液を送り出して血流させる「圧」が必要になることは自然なことかと思われます。従って、経年に伴って血圧が上がることは、体内の血流を一定に維持する上で異常ではなく正常な働きだと考えることが出来るからです。
 
血圧が発生する基本は心臓の働きで、細かくは、血液量の増加、末梢神経の抵抗、自律神経によるホルモンの働きのよるものなどがあります。
他にもよく「塩分」による血圧への影響を耳にしますが、これは腎臓が体内塩分の調整を行う上で、余分な塩分を排泄しようと働くことで血圧が上がります。
他にも、血液の状態(ドロドロなど)、大動脈の弾力、肥満時の内臓脂肪から分泌される生理活性物質(アディポサイトカイン)なども血圧に影響します。
ただ、血圧の上下に関係する要素は多岐にわたり、メカニズム自体は非常に複雑で、現代医療では不明な点も多いのが現状です。
 
現代でわかっている原因は上記のとおりですが、
ここで気付いていただきたいのは『不明な点』です。
原因の分からない血圧異常が存在するということは、基準値の存在にも不明な点が残ってしまうのではないかと考えることが出来ませんか?
基準値をベースに診断する前に必ず原因を考えなければいけませんが、あくまでも基準に対して下げる為の薬を出すことを優先します。これについては以前のブログで紹介した薬に関わるものが大きいのでここではあえて割愛させていただきますが、血圧をコントロールさせる作業は行われるが原因に関する取り組みは患者任せになってしまいます。
 
生活習慣病と呼ばれるものの原因の多くが生活習慣と食生活によるものですので、本来は薬の服用によって数値を抑えている間にどれだけ体調を変化させることが出来るかが重要なのですが、実際にはなかなか難しいと言えます。
薬の服用によって数値が正常になったことで大丈夫だと思い込んでしまう方も多く、そのせいで実生活への改善を軽視するケースが多いのです。
 
 薬で下げている間に通常の生活を送ることで、薬が必要になる原因はそのままとなり、結局水面下でどんどん原因は進行していることになります。そうなれば使用している薬で抑えることが出来なくなっていきますので、進行度合いにもよりますが、しばらくすれば薬が強くなるか量が増えることにつながります。
 
薬が増えることによってその弊害や副作用のリスクが上がるため、生活習慣で改善できる部分を大幅に外れてしまうことにもつながります。
 
この線引きがとても難しく、本来ならば基準をベースに実生活の見直しから取り組まなければいけないのですが、ほとんどは薬が先に始まります。
ので「薬を飲んでいるから大丈夫」ということから年々改善しないケースや進行につながるのです。
なかなか治らない、長年付き合っているという背景には低基準の弊害が隠れていて、生活の見直しで改善できるケースや、実際にはその方の体質的に薬が必要ないケースにまで薬が用いられ、逆に些細な進行を見落としたりちょっとした配慮で防げたはずの病状までも気付かずに悪化させてしまうことも多々あります。
 
一番大切なのは、自分自身の身体の、薬を飲まない状態が異常なのかどうなのかを判断することで、普段の食生活、生活習慣へのちょっとした心配りが重要だということです。
 
とても難しいことですが、基準値に一喜一憂せず、自分の身体に合った生活と体調を見極め、上手に医療機関と付き合っていきましょう。
 
 
 
杉本
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