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杉の坊のつぶやき

実は知らない健康や医療に関する情報を発信

意外と知らないメカニズム

※あくまでも個人主観です。

普段いろいろと薬について書かせていただいていますが、
薬のメカニズムって、意外とご存知無い方が多いです。

メカニズムというのは、どのようにしてその薬が働いているか、
どのようにして症状に作用しているのか、ということです。
また、ひとくちに病気といっても、何が原因でどのようにして、
というのはこれまた意外とみなさん知らないものです。
きちんと理解する事で初めて見えてくる事も多く、
そのあたりを少し説明してみます。

まず、薬の典型的発想といってもいい、
代表的にわかりやすいのは『痛み止め』でしょう。

痛み止め、鎮痛剤と呼ばれるものですが、
このメカニズムは非常に簡単かつ単純です。

神経系統における、痛みの信号の伝達経路をブロックし、
脳に痛みの信号そのものが届かないようにするだけです。 
痛みの信号は患部から発せられているのですが
脳までの間の部分を遮断してしまう働きです。
信号が届かないので脳が『痛い』に気付かなくなる、
痛い認識をしないようになるということです。

そして、ブロックしている間に身体の自己修復機能で痛みの原因そのものが改善されれば
薬の効き目が切れても原因が治っているわけですから痛くなくなっている。
というわけです。

痛みを感じた時点でその原因が必ずあり、
原因の場所から痛みの信号が発信されます。痛覚です。
怪我をすれば怪我をした場所から痛みの信号が脳に送られ、
痛みの信号を受け取った脳が、信号を元に身体に修復する命令を送るのです。
昔は大脳の視床下部が痛覚だと言われていましたが、研究により現在は  
脳全体に痛みを判断をする機能があり、状況や感情などによって変化する信号を
脳の様々な場所で感じることがわかっています。

痛覚を遮断する痛覚除去法で有名な「コールドトミー」と呼ばれるものがあります。
これは、強い薬で痛覚神経を破壊してしまう方法と、
手術で痛みの信号を受け取る場所を破壊する方法があります。
基本的に事故での怪我や末期癌で、常に激痛を伴う障害を受けている場合などに
患者の負担を無くすために行われる最終的な処置法です。
ただし痛覚を除去してしまうということは、
物理的な何事にも加減ができなくなることを意味します。
命に関わる怪我をしても気付かなくなります。
自分の身体を自分で破壊しないよう守る為、
過剰な力が働かないよう、手前の痛みでリミッターがかかるはずが
リミッターが外れた状態になります。
先天的に生まれながらに痛覚を持たない病気もあり、
幼少期には遊びの中で大怪我をしていても本人に自覚がないので
簡単に命を落とすケースもあります。
痛みとは非常に重要な人間の機能の一つなのです。

痛み止めは、全身から脳に送られる信号を途中で文字通り止めるだけで、
痛みの原因を修復する能力は一切ありません。
当然ながら原因を治すのは自分の身体です。

市販の鎮痛剤などには、「頭痛、生理痛に」という謳い文句があります。
買う方も謳っている効果の代表的なものを選んでいると思いますが、
強さや成分の違いはあれど鎮痛剤はほとんどの「痛み」に効果があると言えます。
歯痛や関節痛でも、頭痛薬を飲めば効きます。
逆に頭痛薬を飲めば怪我の痛みも抑えることができます。

ただし唯一、胃痛だけは痛み止めを使ってはいけません。 
薬は胃を荒らすことで有名ですが、
胃痛の原因が胃壁の異常である場合は
痛みは止まっても原因は確実に悪化させます。
 
痛み止め、鎮痛剤のメカニズムは西洋医学における病気への考え方そのもので、
目に見える症状は目に見える部分、感じる症状、痒みや痛みをはじめとして吐き気や倦怠感など、現在進行形の様々な自覚症状そのものに対してどうにかするという考え方です。 
対症療法といわれる西洋医学の基本です。

痛いなら痛みを止める。
かゆいなら痒みを止める。 
吐き気には吐き気止め。
咳には咳止め。
などなど。

外因的なものや急性のもの、緊急性を要する場合などは
この対症療法の本領発揮なのですが、
慢性疾患と呼ばれる病気にもこの発想を元にするため
血圧や血糖値、コレステロールなどについても同じように対症します。
高ければ下げる。といった具合に。

発熱を抑える解熱剤はあっても、
低体温を上げる上熱剤はありません。

血圧を上げる薬(昇圧剤)はありますが、危険なので 
透析などで下がりすぎた緊急の場合ぐらいしか使いません。

透析の場合でも血圧が下がりすぎた場合には、
足を持ち上げたり生理食塩水注射や点滴が優先されます。

何が言いたいのかというと、
西洋医学における薬の発想は、原因を改善するのではなく
原因によって発生する自覚症状に対する抑制作用を目的としているということです。

病気や症状には必ずその原因があります。
原因があって初めて症状が現れるので、
逆に言えば原因を改善させることができれば症状そのものがなくなるということです。
なので、本当であれば医学の発想は原因の改善のはずなのですが
実際には、薬によって自覚症状を一時的にでも簡単に隠すことができる対症療法が
『楽(らく)』
なので、薬によって見える部分を隠してしまうことが
患者にとっても改善したように感じ、治ったように見え易いことから
常用となっているのです。

原因ではなく症状を抑えるということは、
目に見える汚れたところを綺麗に塗りつぶしたり
臭い物に蓋をするのと同じことです。

ごまかしているといってもいいでしょう。

薬を飲まれている方の中には、自覚症状ががなくなるため
薬で改善したと思っている方が多いと思います。
確かに、薬を飲み続けた結果、薬をやめても症状が現れなくなり
確かに病気が改善している事は多々あります。

でもこれは薬が原因を改善しているのではなく、
薬で自覚症状が抑えられている間に自分の身体が病気を治しているのです。

苦痛を伴う病気や緊急性のある場合、また患者が危険な状態にある場合には
当然ながら薬を使う必要性があり、そのための薬です。 

薬には薬の大切な役割があります。

しかし、長期的に使い続ければ必ず身体に弊害が現れます。
副作用とは別の弊害です。

代表として高血圧や糖尿病といった病気では長期間にわたって薬を服用しますが、
特に糖尿病などは薬がもたらす弊害の顕著な病気です。

糖尿病には、膵臓機能障害や自己免疫不全を原因とする突発性、先天性を含む1型と、生活習慣などがもたらす2型があります。

1型糖尿病は、インスリンを分泌する膵臓のランゲルハンス島のβ細胞が、なんらかの原因によって死滅する病気とされていて、自己免疫が膵臓を攻撃するケースや、突発的に膵臓機能が停止したり、先天的に膵臓機能障害をもって生まれてくる場合もこれに該当します。

2型糖尿病は、一般的に生活習慣病といわれる分野に属し、生活習慣や食生活により血中糖度が高い状態(高血糖状態)の続く事を指します。単純に説明すると、高血糖状態が続くというのは、摂取した糖分がブドウ糖に変換され血中に送り込まれ、そのブドウ糖インスリンの働きで細胞など体内の栄養分として取り込むのですが、インスリンの量が不十分であった場合にはブドウ糖が吸収できずに血中に残る事になります。この状態が続くという事はどんどん濃度も上がるという事です。これが高血糖状態で、長期間高血糖状態が続くと、今度は血中のヘモグロビンとブドウ糖が結合し、糖化ヘモグロビン(HbA1C)となり、これがひとつの検査指針(2012年改定により6.5以上)となります。糖化ヘモグロビンのできるメカニズムには蛋白結合などもう少し細い事もあるのですが、理解においてそれほど重要ではないので省略します。

さて、ここからは2型の糖尿病に限定してお話しします。

最近では身近に蔓延しているこの糖尿病。
年齢や生活とともに、いとも簡単にかかってしまうかのように感じます。

治療法も、まるで完璧に確立されているかのごとく気軽に行われていますが、
実はこの糖尿病の治療ほど怖いものはありません。
なぜなら治療すればするほどほぼ悪化に向かうからです。

糖尿病が悪化に向かう代表的な治療法の流れを簡単に書きます。
(※ここでは合併症や2次発症などは省きます)

血糖値を下げる薬を飲む → はじめは朝1粒など少量
        ↓
思うように下がらず薬の量が増える
        ↓
薬の量が増えるため関連の薬(胃薬や肝臓の薬など)の種類も増える
        ↓
HbA1Cの数値が基準(6.5)を下回らないか上がり続ける
        ↓
インスリン治療を勧められる(※1)
(医師により判断は様々で、酷い場合は基準値+0.2程度で勧める医師もいる
        ↓
インスリン治療を始める → はじめはインスリン単位も少量、朝だけなど
        ↓
思うように下がらずインスリンの回数と単位が増える
        ↓
長期間のインスリン投与により膵臓機能が停止する(※2)
        ↓
人工透析 → はじめは1ヶ月に1回など
        ↓
月1回が週1回になる
        ↓
週1回が3日に1回になる
         ↓
毎日になる


‥‥‥上記の例は極端な例ではありますが、
 おおよそこのような流れで透析にたどり着く方が多いのも事実です。

※の説明 
※1、インスリン治療の開始時期や使用単位と回数などは医師の判断によってバラバラです。
        患者の状態に対する基準がないので、医師の判断に完全に委ねられるため
        不必要のみならず必要以上の薬やインスリンを使用する場合が多々あります。

※2、体外からインスリンを投与すると、体の学習機能により膵臓でのインスリン分泌量が
        低下します。他から補われるため分泌が不必要であると体が判断してまうからです。
        結果、体外からの投与に頼ってしまい膵臓は働きをやめてしまいます。


糖尿病だけに限って説明すれば以上のような流れです。
実際に、わざとではないにせよ人工透析への道のりを強く勧める医師が本当に多く、
その理由としては人工透析に関わる『お金』です。
透析の機械はたいへん高額ではありますが、透析患者が集まればすぐに減価償却できます。
どういう名目かはイマイチよくわかりませんが、透析患者ひとりあたり月額およそ70万円以上のお金が国から病院に支払われます。治療に関しては健康保険制度で病院は運営しているはずなので、それ以外のお金が発生する理由はよくわかりませんと言っておきます。 
単純に、透析患者がひとりいれば、70万円+保険点数+医療報酬 といった図式ができあがるので、この表現は言い方が悪いのですが、患者が増えればとてつもない利益となります。 

人工透析が素晴らしい治療法?だとして崇拝している医師がいるのも事実です。
本当に悪気なく薬や治療を勧めているのは仕方がないことでもあります。

ただ、人間の身体は非常によくできています。
外から補ったり手伝えば身体はそれに簡単に頼ります。
逆に、厳しい環境に対応し、不足を補ったり順応したり、変化したりも出来ます。

薬は身体の機能の代わりをしたり、判断を誤魔化したりできるものです。
病気を治す視点では治癒とは全く別のものです。


様々なものが絡み付いて成り立っているので
ひとくちにこれはこのようなものだと説明できませんが、
少なくとも薬には薬のメカニズムがあって、
それがどのように働くのかを理解し考えなければ
本当に病気を治す方向を向くことができていないといえます。

自分がどんな病気で、飲んでいる薬はどんな役割なのか、
少し調べ、考えてみることをおすすめします。


杉本